研究課題/領域番号 |
22K19041
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西林 仁昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40282579)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | アンモニア / 可視光 / 窒素分子 / モリブデン / イリジウム / ジヒドロアクリジン / 窒素固定 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに開発に成功した触媒的アンモニア合成反応を実用化するためには、外部由来のエネルギーを利用して、この外部エネルギーを物質エネルギーであるアンモニアへと変換するアンモニア合成反応を達成する必要がある。本研究課題では、可視光を外部由来のエネルギーとして利用した、窒素分子からの触媒的アンモニア合成反応の開発を目標として研究に取り組む。最終目標が達成できれば、アンモニア合成法として、学術的に研究課題であるだけで無く工業的にも画期的な手法の開発となり、歴史に残る偉業と成り得ると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究代表者らは、常温常圧の極めて温和な反応条件下で、窒素ガスから水をプロトン源に用いて触媒的にアンモニアを高効率に合成する反応開発にごく最近に成功した(Nature, 2019)。本反応は、還元剤として利用する二ヨウ化サマリウムが有する化学エネルギーを利用してアンモニアを合成するものである。本反応系を実用化するためには、外部由来のエネルギーを利用して、この外部エネルギーを物質エネルギーであるアンモニアへと変換するアンモニア合成反応を達成する必要がある。本研究課題では、可視光を外部由来のエネルギーとして利用した窒素分子からの触媒的アンモニア合成反応の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究代表者らが別途に開発に成功してきた光誘起電子移動反応を鍵とする有機分子の変換反応を開発する過程で得た知見を適用することで、これまでに達成されなかった可視光由来のエネルギーを利用した窒素ガスからの触媒的アンモニア合成反応の開発に成功した。これは窒素錯体の合成と反応性に関する錯体化学を基盤とした無機化学分野と有機合成を基盤とした有機化学分野でのマリアージュにより生み出されるこれまで試みられることが無かった新しい展開である。達成した本研究成果は、工業的なアンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法に代わる次世代型窒素固定法の開発に繋がる次のブレークスルーであると確信している。
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