研究課題/領域番号 |
22K19043
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
今岡 享稔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 原子像観察 / 合金 / 金属クラスター / ナノ粒子 / サブナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は組成、サイズ、温度の3つの次元をもったナノフェーズダイアグラムの創成である。具体的には、ADF-STEM法におけるZコントラストを利用して元素を識別しながら視野内の全原子の座標を連続的に取得、解析することでナノフェーズダイアグラムを創成する。電子回路の微細化はEUV(極端紫外線)リソグラフィの登場により2030年には3nmに迫ると予想されており、微小領域での材料科学は年々その重要性を増しているが、ナノ-サブナノスケールの状態図は第一原理計算による予測が数例報告されているだけのブルーオーシャンである。本研究はこうした状況を打破するために、新しい方法論を導入するものである
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研究実績の概要 |
本研究はナノ-サブナノスケールでの相平衡状態図を解明することを目的としている。 まず、ナノ-サブナノスケールにおいて金属ダイマーと合金クラスターを用いて、原子のダイナミクスを観察し、画像解析に基づいて原子間距離を系統的に比較した。単一原子精度で異種金属原子を区別するために、電子顕微鏡画像の原子の明るさによる識別法(z-コントラスト)を採用、合金クラスターの原子レベルの画像解析手法を開発し、自動的に元素を識別し、結合やクラスターを区別することに成功した。 この解析結果を元素の混和性の評価に応用するため、結合数に基づくサブナノスケールの二元合金混和度図を提案した。具体的には、合金クラスターの構成元素の組成や数によって元素の混和性がどのように変化するかを視覚化した。さらに、この解析手法を原子分解能でのin-situ加熱観察と組み合わせることで、「三次元二元合金混和度図」を作成した。バルクでは全率固溶型であるWMoと、共晶型であるAuMoの二元合金系についてそれぞれ、構成元素の数、組成比、温度の三つの次元から合金クラスターの元素混和度を評価することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は2022年度内に解析方法の要素技術を確立し、2023年度に実サンプルの分析を実施、原理実証に至る計画であった。実績の概要で述べたように、すでに方法論は確立し、実サンプルの解析も開始しており、これは計画以上の進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は当初の計画通り画像データを取得し、3D状態図の作成にまで至っている。2023年度はこの手法をさらに発展させ、種々の2元素系に拡張していくとともに、理論計算との比較分析を実施する予定である。
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