研究課題/領域番号 |
22K19057
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西村 智貴 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (60648070)
|
研究分担者 |
安藤 満 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (70737460)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | ナノディスク / 膜タンパク質 / グラフトポリマー / 無細胞タンパク質合成 / 自己組織化 / ポリマーディスク |
研究開始時の研究の概要 |
膜タンパク質は創薬のターゲットとして重要な分子である。その構造解析は、界面活性剤などによる可溶化が必要となる。しかし、界面活性剤による可溶化は、生体膜環境と異なるため膜タンパク質が天然構造を形成しない懸念がある。また、ナノディスクは、生体膜類似の環境を持つが、その作製が極めて難しい。そこで、本研究では、申請者が開発した両親媒性グラフトポリマーを基盤とした簡便なナノディスク作製法の構築、無細胞タンパク質合成を用いたナノディスクへの膜タンパク質の直接組み込み法を確立する。これにより、既存の膜タンパク質可溶化法の問題点を解決した新しい膜タンパク質構造解析ツールを創出することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、温度応答性グラフトポリマーを基盤としたポリマーナノディスクを開発した。ポリマーは、自己組織的に会合してナノディスクを形成し、生体膜とほぼ同程度の疎水領域のサイズを有することが小角散乱測定から明らかになった。また、無細胞タンパク質合成を用いることで、ナノディスクにモデル膜タンパク質を直接組み込むことができることも見出した。さらに、この手法により、膜タンパク質が正しく折り畳まれ、その機能が保持されていることも確認した。以上により、従来の膜タンパク質可溶化法の問題点を解決し、膜タンパク質構造解析の新しいツールとしての可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、温度応答性グラフトポリマーベースのナノディスクを開発し、膜タンパク質の構造解析における課題の解決に寄与すると考えられる。この手法により、膜タンパク質が天然の構造を保持できることが示され、構造生物学研究における有用な技術となる可能性がある。今後、膜タンパク質の構造解析が進むことで、新しい治療薬の設計が期待される。特に、がんや神経変性疾患などの治療において、新たな治療法の開発が見込まれ、製薬業界やバイオテクノロジー分野で広く応用され、健康の向上に貢献することが期待される。
|