研究課題/領域番号 |
22K19058
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
関 朋宏 静岡大学, 理学部, 准教授 (50638187)
|
研究分担者 |
佐々木 郁雄 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10771040)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 相転移 / 分子結晶 / 刺激応答性 / 結晶 / 発光 / クロミズム / 変形 / 錯体 / 塑性・弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、メカノ応答性を示す分子結晶に関し、その応答性のメカニズム解明、微弱な応力に対する応答性の評価、メカノおよび光による段階的応答性の評価、を実現する。最近、一部の分子結晶は温度変化や光照射、機械的応力に対して変形することが報告され、材料の最も普遍的な物性でありながら、その新しい側面が研究されるようになってきた。ごく近年、我々もある金属錯体群が、多様な外部刺激に対して変形を示す分子結晶であることを明らかにしている。本研究では、更に多様な金属錯体や有機分子からなる結晶からも、同様の応答性を導くことを目指し、関連する新機能の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
金錯体からなる分子結晶に関して、熱相転移に伴う結晶系状の変形に成功し、各種構造解析熱分析の結果、結晶系状と結晶構造に明確な相関があることを明らかにした。この錯体の結晶は、室温から冷却もしくは加熱することで、結晶末端の角度がそれぞれ小さくまたは大きく変形することがわかった。熱分析より、結晶系状の変化は熱相転移によって起こっていることがわかった。各相のX線構造解析を行った結果、結晶末端の角度の違いは分子の積層構造における隣接分子とのずれ(オフセット)の角度と一致することがわかった。この他にも、応力による結晶形状の変形にも成功し、X線構造よりその起源を明らかにしている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形可能な分子結晶の研究が近年盛んに行われている。結晶の特徴として、単結晶X線構造解析によって、結晶変形の前後の分子配列を高精度に決定でき、メカニズムの解明につなげられる点が挙げられる。これは、より一般的に普及している変形可能な材料である高分子や金属などに比べ、大きな利点である。加えて、我々が発見した分子結晶は結晶形状の変化を伴う熱相転移が発光色の変化も同時に誘起することがわかっている。発光特性の変化を伴い、厳密な構造解析が可能な可変形分子結晶の例はまだまだ少ないため、得られた知見を生かした分子デザイン指針の確立につながる可能性がある。
|