研究課題/領域番号 |
22K19063
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
生越 友樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (00447682)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ピラー[n]アレーン / 二面性 / 二次元シート / 二分子膜 / 脂質二分子膜 / ヘキサゴナルパッキング / 気-水界面 / 二次元超分子シート / ホスト-ゲスト錯体 / 非対称 / 基板 / 空間 |
研究開始時の研究の概要 |
立体的で対称性に優れた芳香族分子を用いることで、横方向への集積化による二次元超分子シートが開発され、その物性・機能に注目が集まっている。我々が合成に初めて成功した環状分子「ピラー[n]アレーン」も、立体的で正多角柱構造の芳香族分子であることから、二次元超分子シートを形成する。また最近、上下面に異なる置換基を導入した二面性ピラー[n]アレーンの合成が可能となった。本研究では、二面性ピラー[n]アレーンを基に、更に一段上の構造概念を有する二次元超分子シートとして、これまでに例を見ない「表と裏」という面を有する二次元超分子シートを創製し、その物性と機能解明を目指す。
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研究成果の概要 |
正多角柱環状分子「ピラー[n]アレーン」は、立体的な芳香族分子であることから、二次元超分子シートを形成する。本研究では、これまでに例を見ない「表と裏」という面を有する二次元超分子シートを創製し、その物性と機能解明を進めた。その結果、片面に疎水性アルキル基、片面にカチオン性基を導入したピラー[n]アレーンは、親水性面と疎水性面を有する二分子膜を形成することが分かった。さらに得られた二分子膜と疎水性ゲスト分子をボールミルにより混合すると、ゲスト鎖長に適合した疎水性ゲスト可溶化挙動が見られた。さらに基板表面上に二面性ピラー[n]アレーンの吸着を行うことで、疎水表面を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表的なシート状物質は、クレイがあげられる。有機カチオンをクレイ相間に挿入することで官能基化した二次元シートが得られるが、表と裏を区別して官能基化することは困難である。一原子の厚みを有するグラフェンシートにおいても、事後の表面への官能基修飾が行われているが、面選択的な修飾を行うことは同様に困難である。本研究での正多角柱分子ピラー[n]アレーンを基にした二面性二次元超分子シートは、裏表を有するという点から、これまでの二次元シートにはない一段上の構造概念を有している。これより、新構造概念の表裏を有する二次元シートという新分野を拓くことが出来た。
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