研究課題/領域番号 |
22K19064
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀毛 悟史 京都大学, 理学研究科, 教授 (70552652)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | イオン液体 / 配位高分子 / 相転移 / ガラス / イオン伝導 / プロトン伝導 / 非晶質 / ドーピング |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池はクリーンエネルギーの獲得のためのコア技術の一つであるが、内部構造を構成する電解質(イオンを伝導する物質)の性能向上が求められる。本研究では金属と分子をつなぎ合わせた高次構造を設計し、その内部で高いイオン(プロトン)伝導を示す柔らかい新規電解質材料を作ることを目的とする。特にプロトン伝導度、安定性、膜の成形加工性を兼ね備えた材料を見出してゆく。
|
研究成果の概要 |
イオン液体はカチオンとアニオンからなる塩の融点が100℃以下のものを総称する。本研究ではイオン液体を前駆体として、新たな配位高分子を合成し、その相転移特性、構造、物性について検討し、従来の配位高分子との違いや材料性能を見出すことを目的とした。イオン液体を用いて様々な条件で配位高分子を合成すると、特にイオン液体を構成するアニオンが金属イオン同士を架橋した様々な配位高分子が得られることが分かった。それらの多くは高い動的特性を常温にて有し、結晶融解も150℃以下で幅広く見られる。この特性を利用し、マクロ成形加工(膜やファイバー等)あるいは多孔性、伝導性の評価を行ったところ、複合的な機能を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン液体と配位高分子の学問領域は一般的に大きく分けられており、それらを互いに見据えながら新物質を合成する研究は限られていた。本研究成果により、イオン液体が広く配位高分子の合成に活用できる指針を与えられた。またイオン液体特有の小さい静電相互作用や多様な分子配座を配位高分子構造に組み込むことができるため、より低い融点、あるいは内部自由度を上げることによるガス透過やイオン伝導性を与えられることを見出した。膜やファイバー状で選択的なガス透過や伝導性を発現することは、マクロ材料応用において結晶では難しい特徴であり、材料としての可能性も大きく引き上げる結果である。
|