研究課題/領域番号 |
22K19080
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 司 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (90273127)
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研究分担者 |
松村 吉将 大阪工業大学, 工学部, 講師 (30791818)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 再生可能エネルギー / レドックスバッテリー / 有機レドックス分子 / 導電性高分子触媒 / 電極動力学 / 電気化学水晶振動子マイクロバランス |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーの拡大に向けて、電力貯蔵とオンデマンド利用を可能とするレドックス電池が注目されている。資源枯渇の恐れの無い有機レドックスが有望視されているが、多くの場合可逆性が高く、還元状態の分子が大気中の酸素で酸化(放電)する問題があった。本研究では、分子内ピナコールカップリング等の反応により還元安定化する準可逆ロッカブルレドックス分子とこれを選択的に酸化する水素結合性導電性高分子触媒キーを同時開発し、大気下で粉体としても電力貯蔵可能なシステムへの端緒を得る。電位と水溶性、可逆性を制御するロッカブル分子と触媒キーの設計合成を系統的に行い、その電気化学動力学と安定性を評価する。
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研究成果の概要 |
大気下で酸化自己放電しない有機ロッカブルレドックスシャトル(LSR)とこれを酸化ディスチャージする有機触媒キー(HCPC)の同時開発を試みた。ジフェニルナフタレン誘導体(DPNO2)のDPN(OH)2への還元分子内ピナコールカップリング閉環反応により、2 V以上の安定化と大気下で酸化されないことを確認した。HCPC候補となるポリニュートラルレッド(PNR)の電解重合をEQCM法等で追跡し、吸着モノマーのみが反応に関与する反応機構を解明した。水溶性LSRの候補として、DPNO2のスルホン化とフェニルをピリジル基に置換した分子合成を果たしたが、そのレドックス機能を確認するには至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
太陽光発電等のグリーン電力を大気下で安価に長期保存し、オンデマンド利用を可能とするために、酸化自己放電しない有機レドックスロックとこれを選択的に酸化ディスチャージする有機触媒キーの同時開発を狙った挑戦的研究。非水溶性の有機レドックスについて所期の機能を確認した一方、水溶性分子の開発が難航し、期間内に研究を完遂することは出来なかった。一方水素結合性導電性高分子触媒の開発については、その形成機構を明らかになり、より高速な製膜条件も見出した。これら学術的成果は蓄電に限らずグリーン水素製造用の電極触媒などにも寄与する。有機分子、高分子の電気化学挙動に関する理解を大きく前進させることが出来た。
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