研究課題/領域番号 |
22K19085
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桑畑 進 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40186565)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 蓄電池 / 硫黄正極 / アルミニウム負極 / イオン液体 |
研究開始時の研究の概要 |
AlCl3-NaCl-KCl溶融塩中に溶解した硫黄は、6電子の酸化還元反応を示す。硫黄とカーボンナノチューブの複合電極でも両反応が確認できた。この発見を基に、下記のチャレンジを行う:( I ) Sの6電子レドックス反応を利用したAl-S電池:AlCl3-NaCl-KCl溶融塩は、アルミニウムの電析・溶解が可能ゆえ、Al負極と組み合わせた電池が作製する。( II ) 低温化への試み:大容量密度の正極材料の利用範囲を拡張するために、駆動可能な温度範囲の調査を行う。( III ) 他の電池への展開の可能性:容量密度が突出している硫黄正極と他の負極との組み合わせを調査する。
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研究成果の概要 |
AlCl3-NaCl-KCl溶融塩中に溶解した硫黄は、S2- = S + 2e- と S = S4+ + 4e-の2式で表せる6電子の酸化還元反応を示す。これらの反応が硫黄とカーボンナノチューブの複合電極(S-CNT)でも起こることを確認した。一方、AlCl3-NaCl-KCl溶融塩は 4 [Al2Cl7]- + 3e- = 7 [AlCl4]- + Al と表せるアルミニウムの電析・溶解が可能ゆえ、S-CNTとAl負極と組み合わせた電池を作製したところ、硫黄の2つの反応に対応した充放電プラトーが出現し、6電子反応をフルに利用した電池を作成できることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蓄電池は、カーボンニュートラルを含め、サステナブルな社会活動を実現するために重要なデバイスとなっている。現行のリチウムイオン電池では、希少な元素や、地球上に偏在している元素等を用いていることから、それに代わる環境負荷の少ない蓄電池の開発が望まれている。提案しているアルミニウムー硫黄蓄電池は、それに叶ったものであり、かつ、硫黄の6電子反応を正極に使えるようになれば、リチウムイオン電池の数倍のエネルギー密度を実現できることとなり、学術的意義も社会的意義も極めて高い。
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