研究課題/領域番号 |
22K19096
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水上 進 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30420433)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | クリックケミストリー / 逆電子需要型Diels-Alder反応 / 蛋白質濃度制御 / PROTAC / 細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
大環状化テトラジンの環開裂によるIEDDA反応制御機構を光開裂反応と組みわせることで、本課題ではこの知見をもとに、(i) 光応答性高速クリック反応の開発、およびこの反応を蛋白質分解を誘導するPROTACシステムに導入することで、 (ii)光による細胞内蛋白質濃度の制御技術の開発を行う。
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研究実績の概要 |
Tetrazine(Tz)とtrans-Cyclooctene(TCO)が共有結合を形成する逆電子需要型Diels-Alder(IEDDA)反応は、無触媒かつ圧倒的な速さで進行することから、様々な分野での応用が期待されているクリック反応の一つである。我々はこれまでに、大環状構造を持つtetrazineの構造を外部刺激で開環させることでIEDDA反応の進行を制御するシステムを開発したことから、本研究では新たに、光照射に応答してIEDDA反応が進行する反応モジュールを開発し、この原理を細胞内蛋白質濃度の光制御に応用することを目的として、以下の(i)および(ii)の研究を並行して行った。 (i) 光応答性IEDDA反応の開発 まず、光に応答して切断されるニトロベラトリル基を有するリンカー化合物を合成した。続いて、このリンカーを用いてテトラジン化合物を架橋したケージド大環状Tzの合成を試みたが、大環状化反応が進行せず、リンカーの再設計を行い、現在合成の途中である。 (ii) 細胞内蛋白質濃度の光制御技術の開発 細胞内蛋白質を人工的に分解するシステムとして、ユビキチンリガーゼと低分子リガンドを利用したPROTACシステムが知られる。まず初めに、様々な標的蛋白質と融合させることが可能なタグ蛋白質の細胞内分解システムを構築する、タグ蛋白質としては大腸菌のジヒドロ葉酸還元酵素eDHFRを選択し、eDHFRのリガンドTMPとE3ユビキチンリガーゼ(CRBN)のリガンド pomalidomideを連結した二官能性化合物を合成した。いくつかのリンカーの長さの化合物を合成し、化合物添加によって細胞内のeDHFR融合蛋白質を分解できることを確認した。最終的には(i)の技術とは組み合わせて、光応答性蛋白質分解システムへと改変する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(i)「光応答性IEDDA反応の開発」については、光応答性のケージドリンカーの合成は完了している。一方、ケージドリンカーとテトラジンで構成される大環状化合物の合成は達成できておらず、当初の予定よりもやや遅れている。一方、(ii) 「細胞内蛋白質濃度の光制御技術の開発」に関しては、おおむね予定通りに進行しており、最終年度中の目標達成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(i)の光応答性IEDDA反応を用いたケージド大環状Tzの合成法の最適化の後、合成を達成し、(ii)と組み合わせて、細胞内蛋白質濃度の光制御技術の開発を行う。本システムは、細胞内の蛋白質濃度制御を通して細胞機能の精密制御を可能とするため、医学・生物学における幅広い応用が期待される。
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