研究課題/領域番号 |
22K19103
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡田 智 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70785229)
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研究分担者 |
中村 浩之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30274434)
三浦 一輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70825330)
盛田 大輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80881929)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | MRI / 酸化鉄ナノ粒子 / 神経活動記録 / プローブ |
研究開始時の研究の概要 |
神経活動の履歴を記録する技術は、発生・成長に伴う脳神経回路の形成や、長期記憶の形成に関わる神経細胞を同定する上で、必要不可欠なツールである。本研究では、磁性ナノプローブと磁気共鳴イメージング(MRI)による生きた全脳活動履歴を記録する技術を開発し、脳機能解明にパラダイムシフトを引き起こす。
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研究実績の概要 |
神経活動の履歴を記録する技術は、脳神経回路の形成過程を追跡する上で、必要不可欠なツールである。そこで本研究では、神経活動時に放出されるシグナル伝達因子に応答する磁性ナノプローブを開発し、磁気共鳴イメージング(MRI)により脳活動履歴を記録する技術の開発に取り組んだ。まず、MRI造影剤として用いられる磁性ナノ粒子表面を人工リン脂質によりコーティングした。並行し、シグナル因子と特異的に結合するリガンドペプチドを、Fmoc固相合成法によって合成した。リン脂質末端の反応性官能基を介し、リガンドペプチドを磁性ナノ粒子表面に共有結合することで、目的のプローブを合成した。プローブと、各種標的シグナル因子の結合を動的光散乱により評価した。その結果、プローブのみでは約100 nmであった流体力学的粒子径は、シグナル因子存在下で約400 nmとなり、プローブとシグナル因子の相互作用による凝集が観察された。また標的伝達物質存在下では、NMR横緩和時間T2の大幅な短縮が見られた。T2変化は15分程度でプラトーに達し、活動履歴の検出に十分な反応速度を示した。また、プローブに対しシグナル因子と遊離のリガンドを交互に加えると、凝集と解離が可逆的に起こった。哺乳類細胞に対し、鉄濃度1~500 μMのプローブを48~72時間暴露した結果、顕著な細胞毒性は観察されなかった。さらに、マウス脳内にプローブを投与しT2強調撮像を行った結果、投与部位周辺において低信号となり、プローブの脳内拡散を検出できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的のプローブの合成が完了した。各種測定の結果から、プローブは、標的分子に応答し凝集することで横緩和時間T2を短縮することがわかった。また反応速度・可逆性や毒性の評価も完了した。これらの結果は当初の計画通りであることから、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、マウス胎児大脳皮質から抽出した神経細胞を初代培養し、神経刺激物質を加えた際の活動を合成したプローブで検出できるか試みる。加えて、マウス大脳にプローブを投与し、神経活動を誘発した後、連続的にMRI撮像を行う。これにより、神経活動の痕跡をMRIで可視化できることを実証する。
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