研究課題/領域番号 |
22K19111
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒井 雅吉 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80311231)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 微生物間相互作用 / 赤痢アメーバ / 腸内細菌 / 活性天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内における微生物間の相互作用が、病気の発症や重症化に関与していることは良く知られている。しかし、その相互作用を分子レベルで解明し、病気の発症や重症化との連関を明らかにした研究は皆無である。本研究では、感染および発症に、腸内細菌との相互作用の関与が示唆されている赤痢アメーバについて、その相互作用を分子レベルで理解することに挑戦する。
|
研究実績の概要 |
研究計画に従って、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる活性天然物を、保有する薬用資源ライブラリーから継続して探索した。その結果、新たに海洋由来放線菌の培養抽出物に、赤痢アメーバまたは大腸菌をそれぞれ単一培養した場合には、その生存や増殖に影響せず、共培養した場合にのみ赤痢アメーバの増殖を阻害する活性を見出した。また前年度活性を見出した海洋由来真菌の培養抽出物について、活性物質の単離と構造決定を進めた結果、ある種の脂肪酸が赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を阻害していることを明らかにした。現在、見出した脂肪酸に関する構造活性相関を進めている。一方、研究代表者が、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる活性天然物として見出した(-)-citrininについて、プローブ分子化を試みたが、活性を保持するプローブ分子の創出が困難であることが明らかになった。この為、責任分子同定方法を化合物のプローブ化が不要なプロテアーゼプロテクションアッセイに変更することとし、その条件検討を実施した。現在、基礎条件検討を終え、更なる解析を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
探索研究については、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用を破綻させる抽出物を見出すとともに、新たな活性物質を同定しており、計画通りに研究が進展した。一方、活性を保持するプローブ分子の創出が困難であることが明らかとなり、責任分子の同定については計画よりもやや遅れる結果となった為。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度見出した海洋由来放線菌の培養抽出物から、活性物質の単離を行い、その構造決定を進める。また、(-)-citrininを利用するプロテアーゼプロテクションアッセイ、LC-MSおよびGC-MSによる代謝産物の分析を通して、赤痢アメーバと大腸菌との相互作用に掛かる責任分子の同定を進める。
|