研究課題/領域番号 |
22K19112
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
樺山 一哉 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 教授 (00399974)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 糖鎖 / ガレクチン / HaloTag / ライブセルイメージング / 細胞外小胞 / 膜タンパク質 / 内在化 / レクチン / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
膜タンパク質の側方拡散あるいは細胞膜移行が、糖鎖により制御されることが報告されているが、細胞表面の糖鎖構造は1つの細胞でも数10パターン以上存在し、その組成比率も個体レベルでは臓器別、年齢別で多様性がある。それ故、糖鎖によるタンパク質動態の制御機構を個々の糖鎖分子構造に基づいて解析した研究はほとんどない。本研究では生細胞膜上のタンパク質に望む糖鎖構造を標識する「合成糖鎖提示細胞」を用いて、糖タンパク質糖鎖とガレクチンの相互作用を分子構造レベルで解き明かす。
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研究実績の概要 |
昨年度は、蛍光プローブ標識合成糖鎖を導入したHaloTagリガンド(7糖、9糖、12糖)を結合させた膜タンパク質がガレクチン-3(Gal-3)の存在下で、側方拡散および内在化にある程度の差が生じることを実証した。本年度はこの解析手法を細胞外小胞(EV)に応用する研究を実施した。細胞膜上の標的タンパク質を化学合成した糖鎖で標識し、Gal-3添加条件下でEVを回収後、糖鎖が修飾されたタンパク質のEV膜発現量を評価した。化学合成した糖鎖の修飾には、昨年度と同様にHaloTagタンパク質とハロアルカンの速やかな共有結合形成を利用した。まず、HaloTag融合脂質係留型タンパク質(GPI-HT)をHEK293T細胞に安定に発現させた細胞株:HEK293T GPI-HTを構築し、この細胞の上清から超遠心法にてEVを回収し、EV膜上にGPI-HTが発現していることをWestern blottingによって確認した。続いて、HEK293T GPI-HT細胞にGlcNAc末端糖鎖(Gal-3非結合糖鎖)もしくはGalactose末端糖鎖(Gal-3結合糖鎖)を導入し、Gal-3を添加して3日間培養した後、上清からEVを回収し、EV膜上のGPI-HT発現量を評価した。その結果、Galactose末端糖鎖を導入したGPI-HTのみ、Gal-3の添加によってEV膜上での発現量が増加した。Gal-3の濃度上昇により、発現量はさらに増加した。よって、糖鎖―Gal-3相互作用はタンパク質のEV膜への輸送を促進することが分かった。本研究は論文として投稿し、現在査読中である。
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