研究課題/領域番号 |
22K19118
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
加藤 義雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (20415657)
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研究分担者 |
宮岸 真 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30323538)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | RNA / 進化分子工学 / リガーゼ / リボザイム |
研究開始時の研究の概要 |
生命は親から生まれ、親はそのまた親から生まれる。この論理をさかのぼると「最初の生命は何か?」という根源的な疑問にたどり着くものの、人類はまだ、この謎に答えることができていない。本研究では、生命を規定する「自己複製」だけではなく「代謝」の能力も併せ持った、環状リン酸型リガーゼribozymeこそが、RNAワールド仮説の基調となっているのではないかと仮説を立て、その検証を行う。
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研究実績の概要 |
RNAワールド仮説では、前生物的な地球環境において、簡単な有機分子群が縮合を繰り返しながら大きな分子種へと変換され、モノマーヌクレオチドが大量に存在し得たという前提に端を発する。現代生物は、リボヌクレオチド三リン酸(NTP)を利用してポリマー化することにより、RNAを生合成している。NTPを基質として利用しポリマー化を促進する反応が、RNA自身によって触媒されるとするならば、自己複製可能なRNAが誕生できるのではないか、というのがNTP型仮説である。実際2001年に、NTPを連続的に縮合していく反応を触媒できるような酵素が人工進化によって作成されてきたことで、このNTP型仮説の実証が近づいてきた。 しかし、前生物的環境において大量に存在し得たRNAモノマーはNTP型ではなく環状リン酸型ヌクレオチドである蓋然性が高いとの推測にもとづき、環状リン酸型のRNAポリメラーゼが存在し得たのではないかと仮説を立てた。この環状リン酸型仮説が成立しうるとすると、環状リン酸型ポリメラーゼ以前に環状リン酸型リガーゼリボザイムが出現し得たと推察される。そこで本研究では進化工学により、環状リン酸型リガーゼリボザイムの取得を試みる。初年度は、3’末端に環状リン酸を有する基質RNAと、5'末端にヒドロキシ基を有するリボザイムRNAを、安定的に調製供給する手法として、いくつかの手法論を検討した。また、初期配列としては微弱なリガーゼ活性を有する既知配列をスキャフォールドとして採用し、変異を導入しながらその効率を向上させる方針で、設計を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初から、基質RNAの調製方法と、リボザイムの初期配列の最適化については、検討項目に掲げており、初年度としては概ね順調に検討を進められている。
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今後の研究の推進方策 |
基質RNAの安定供給法について確立した後、リボザイムの初期配列を元にして部分的に変異を導入させたドープトライブラリーを作成し、機能向上させたリボザイム配列の取得を試みる。次年度以降では継続進化可能な実験系を構築することにより、環状リン酸型リガーゼリボザイム配列を高速に獲得することを目指す。
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