研究課題/領域番号 |
22K19120
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 公則 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (80381276)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 母乳オリゴ糖 / 腸内環境 / 腸管上皮細胞 / Paneth細胞 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、母乳オリゴ糖の腸管上皮幹細胞ニッシェを形成する腸管上皮幹細胞とPaneth細胞に対する作用に着目し、宿主因子を介した腸内細菌叢および腸管組織の形成メカニズムをはじめて解明することで、幹細胞ニッシェ機能の修復および活性化の誘導による乳児の腸内環境発達機構の正常化を標的とした、新規疾患予防戦略を構築することを目的とする。各種母乳オリゴ糖の腸管上皮幹細胞ニッシェ成熟を介した腸内環境発生メカニズムを、小腸上皮オルガノイドを用いたex vivo解析と授乳期マウスの母乳オリゴ糖投与モデルによるin vivo解析にて明らかにし、より多様な育児方法を栄養科学の観点から提案する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、母乳オリゴ糖の腸管上皮幹細胞ニッシェを形成する腸管上皮幹細胞とPaneth細胞への作用を解明することで、腸内環境の正常化を標的とした新規疾患予防法を開発することを目的とする。本研究の腸管上皮エンテロイドのライブイメージング解析とマウスへの投与実験の結果により、オリゴ糖の直接的な腸管上皮幹細胞ニッシェへの活性作用が、腸内細菌叢形成を介して上皮組織形成や修復に関与することが示唆された。本研究成果は、腸管上皮幹細胞ニッシェを標的とした新規疾患予防法開発に貢献する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母乳中に含まれるオリゴ糖が乳児期の健全な腸内細菌叢形成を促し、子の将来のさまざまな疾病リスク軽減に寄与することが知られている。これまで母乳オリゴ糖の機能はビフィズス菌の選択的資化など共生側(細菌)の解析が中心に示されており、宿主側の腸管上皮細胞への作用は全く検討されていない。本研究の成果により、オリゴ糖の腸管上皮幹細胞ニッシェを形成する腸管上皮幹細胞とPaneth細胞に対する活性を介した腸内細菌叢形成および腸管組織形成への関与が示されたことで、腸管上皮幹細胞ニッシェ機能の活性化の誘導による腸内環境の正常化を標的とした、新規疾患予防法の開発が促進することが期待される。
|