研究課題/領域番号 |
22K19124
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永田 裕二 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (30237531)
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研究分担者 |
大坪 嘉行 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (40342761)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 細菌進化 / ゲノム / 未開拓遺伝子資源 / 膜小胞 / 挿入配列 / 可動性遺伝因子 / environmental pollutants / evolution / mobile genetic elements / membrane vesicle / insertion sequence |
研究開始時の研究の概要 |
環境常在細菌が利用する特殊性の高い分解酵素遺伝子の直接の進化的起源が推測できる配列は膨大な量のゲノム・メタゲノム情報にも見出されない。すなわち、細菌は現在のメタゲノム解析技術では検出不可能な未知の「細胞外遺伝情報記憶システム (Extracellular Genetic Information Storage Device: EGISD )」から必要に応じて適当な遺伝子を獲得し、利用する術を有していると考えられる。本研究では、この細菌の「EGISDを利用する機能」を用いて、「EGISDの実体」と「それを利用する機構」を解明する。
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研究成果の概要 |
細菌の細胞外遺伝情報記憶システムの実体とそれを利用する機構を解明することを目的として、γ-HCH分解細菌の膜小胞 (MV) および、γ-HCH分解遺伝子の水平伝播機構に関する研究を実施した。その結果、γ-HCH分解細菌がMVを放出することを初めて明示すると共に、本MVがDNaseによる分解を受けにくいlinAを含むことを明らかにし、MVが遺伝情報のリザーバーとして機能する可能性を提示した。一方、γ-HCH分解細菌UT26株のlinBがintegrative and conjugative element(ICE)上に存在することを明らかにした。lin遺伝子群を乗せたICEは初めての発見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、細菌ゲノムの進化原理に関する新たな重要な知見を提示するものであり、微生物関連分野に与える影響は極めて大きい。また、γ-HCH分解遺伝子のような起源不明な特殊遺伝子は、環境汚染物質分解以外にも、抗生物質耐性や動植物への感染など他の様々な細菌機能にも利用されていることから、微生物の未開拓な新規遺伝子取得法の確立という微生物の機能開発の観点からの応用への展開にも直結し、様々な分野の産業界への幅広い波及効果が期待できる。
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