研究課題/領域番号 |
22K19129
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
和地 正明 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90192822)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ジペプチド / アミノ酸 / 代謝制御 / カタボライト抑制 / GcvB small RNA / グルタミン / アラニルグルタミン / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではGcvB small RNAを介したジペプチドによるアミノ酸代謝抑制機構の全容を解明することを目指す。ジペプチドの分解に関与するペプチダーゼの多重欠損株Δpeps株を用いて、アミノ酸の代謝(生合成や取り込み、排出など)遺伝子についてジペプチドの添加の有無により発現量の変化を解析する。さらにジペプチドやトリペプチド、テトラペプチド等のオリゴペプチドについてアミノ酸代謝抑制活性を検定し、本制御系のシグナル分子の実体を解明する。得られた知見をもとに、細胞内ジペプチド濃度が上昇してもアミノ酸生合成が抑制されない株を構築し、ジペプチドの発酵生産株の育種に応用する。
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研究実績の概要 |
ペプチダーゼ多重欠損株(Δpeps株)を用いてジペプチドの添加によって発現量が変化する遺伝子を同定するために、RNA-Seq解析用の試料調製時期の条件検討を行った。しかしながら、ジペプチド添加M9グルコース最少培地で増殖してきた細胞にはジペプチドの取り込み担体(ジペプチドパーミアーゼ)をコードするdppオペロンに変異が導入されていることが判明した。従って、この細胞からRNAを抽出してRNA-Seq解析を行ってもジペプチドの影響を正しく評価できないと判断し、新しい実験系の検討を行った。 大腸菌のグルタミン要求性変異株(ΔglnA株)をM9グルコース最少培地にて培養し、ジペプチドであるアラニルグルタミンと単体のグルタミンを添加した時の細胞の増殖と、添加したジペプチド及びアミノ酸の消費速度を測定した。グルタミン源として10 mMアラニルグルタミンと10 mMグルタミンをそれぞれ単独で加えたときは、アラニルグルタミンを添加した時の方がグルタミンを添加した時よりも短いラグ時間で増殖を開始し、その後の増殖速度も速かった。この時、アラニルグルタミンはグルタミンより早く消費された。興味深いことに、10 mMグルタミンに少量(0.5 mM)のアラニルグルタミンを添加すると、10 mMアラニルグルタミン添加時と同じように増殖した。このことから、単独で加えた場合にはアラニルグルタミンはグルタミンより早く資化されること、また少量のアラニルグルタミンはグルタミンの代謝を促進することが示唆された。そこで、この条件でジペプチドにより発現の変化する遺伝子の解析を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では本年度は、ペプチダーゼ多重欠損株Δpeps株を用いてジペプチドの添加によって発現量が変化する遺伝子をRNA-Seq解析により同定する予定であったが、ジペプチド添加M9グルコース最少培地で増殖してきた細胞にはジペプチドの取り込み担体(ジペプチドパーミアーゼ)をコードするdppオペロンに変異が導入されていることが判明した。従って、この増殖してきた細胞からRNAを抽出してRNA-Seq解析を行ってもジペプチドの影響を正しく評価できないと判断し、新しい実験系の構築を行ったため当初の実験計画よりやや進行が遅れた。 アラニルグルタミン以外のジペプチドがΔpeps株の増殖に対する与える影響については計画通り進行した。
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今後の研究の推進方策 |
当初のペプチダーゼ多重欠損株Δpeps株を用いてRNA-Seq解析を行う計画に替えて、グルタミン要求性変異株(ΔglnA株)を用いた実験を行う。ΔglnA株にジペプチドであるアラニルグルタミンと単体のグルタミンをそれぞれ単独または同時に添加した時の遺伝子発現の変化を調べる。特にグルタミン周りの代謝酵素、グルタミンおよびジペプチドの取り込み担体、窒素代謝関連転写因子等の遺伝子に注目して定量RT-PCR解析により発現量の変化を調べる。 アラニルグルタミン以外のペプチドがペプチダーゼ欠損株(Δpeps株)の増殖に対する与える影響については、さらに多種類のペプチドについて検討を行う。またΔpeps株のみならず野生株の増殖を抑制したアラニルロイシンとロイシルバリンについては、gcvB変異や特定のアミノ酸の添加によって増殖抑制が解除されるかを調べる。 その他の実験については当初の予定通りに行う。
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