研究課題/領域番号 |
22K19134
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 泰久 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10415143)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 薬物輸送体 / 脂質輸送体 / 機能分化 / ABCタンパク質 / タンパク質進化 / 膜輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物輸送体は構造に関連のない様々な脂溶性化合物を排出することで、有害な環境中の化合物から生体を保護している。薬物輸送体が輸送する化合物は多岐にわたり、これは一般的な酵素で見られる"鍵と鍵穴モデル"から大きく逸脱しているため、薬物輸送体がどのようにしてこのような幅広い輸送基質選択性を獲得したのかは謎である。本研究では薬物輸送体の祖先となったと考えられる脂質輸送体を人為的に改変し、薬物輸送能を獲得させることで薬物輸送体が誕生した経緯を明らかにする。
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研究実績の概要 |
薬物輸送体は小腸や肝臓、腎臓、血液脳関門などに発現し、環境中に存在する有害な化合物から生体や重要な器官を保護している。薬物輸送体は構造に関連のない、多種多様な化合物を認識して輸送する事がその特徴であり、これは一般的な酵素に見られる「鍵と鍵穴」モデルからは大きく逸脱している。本研究では薬物輸送体と共通の祖先を持つと考えられるリン脂質の輸送体との比較研究によって、薬物輸送体が様々な構造の化合物を輸送する機構を明らかにすることを目的とした。2022年度の研究では、脂質輸送体の改変に取り組み、薬物輸送と脂質輸送の機能分化に重要であると考えられる領域を明らかにした。また、これらの領域を脂質輸送体に導入することで脂質輸送体に弱いながらも薬物輸送活性を持たせることに成功した。一方で、改造した脂質輸送体の薬物輸送能が想定よりも低かったことから、他にも重要な領域があると推測されたため、実験を追加して重要領域の検討を実施している。また、薬物輸送体の構造解析研究にも着手し、立体構造から機能分岐を明らかにする研究の基盤技術の構築を推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究では、薬物輸送と脂質輸送の機能分岐点となるモチーフの一つを明らかにするという成果を得た。この結果は薬物輸送体が誕生した経緯を理解する上で本質的な解に迫る知見である。一方で、改造した脂質輸送体の薬物輸送活性が想定よりも低かったことから、機能分岐に重要な未同定のモチーフが想定していない部分に存在することも明らかになった。近年、クライオ電子顕微鏡による構造解析研究が飛躍的に発展している。本研究でも、構造解析を追加することで立体構造レベルで機能分岐機構を明らか出来ると着想し、構造解析研究に着手した。研究初年度には再構成系や電子顕微鏡による観察条件の最適化に取り組み、ナノディスクに再構成された状態の多剤輸送体の電子顕微鏡像を取得した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、薬物輸送と脂質輸送の機能分化に重要な領域を探索し、改造脂質輸送体の機能亢進を模索する。具体的には初年度に明らかになった膜貫通領域に加え、輸送動作の支点となる様な構造上重要と予測される部位の改変を行う。また、脂質2重膜に埋め込まれた状態の立体構造を決定し、薬物輸送能の獲得機構について立体構造レベルでの理解を目指す。
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