研究課題/領域番号 |
22K19135
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60263448)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 小胞体 / 酵母 / 小胞体ストレス応答 / 脂質生産 / 分泌タンパク質生産 / オルガネラ / 油脂 / タンパク質分泌 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子組換え酵母による有用分泌蛋白質や脂溶性二次代謝産物の生産は、広範囲に実用化が進められている技術である。しかし、酵母細胞においては、それらの生合成の場である小胞体のサイズは概して小さく、高い収量を得られないことが多い。そこで本研究では、小胞体の表面積や体積が増大した酵母細胞の作出を目指す。本研究ではまず、網羅的遺伝子欠損酵母株ライブラリーのスクリーニングなどを通じ、小胞体の伸展や層畳化に関わる遺伝子を同定し、小胞体拡張のメカニズム解明へと繋げる。そして、得られた知見を活用して人為的かつ恒常的に酵母細胞の小胞体を拡張し、実際に有用分泌蛋白質や脂溶性分子の収量を向上できるかを検証する。
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研究成果の概要 |
小胞体は脂質や分泌タンパク質の生合成の場となるオルガネラである。小胞体の機能不全は小胞体ストレスと呼ばれ、真核生物細胞は総じて、小胞体ストレスに応じて、小胞体を構成するタンパク質の発現が転写レベルで誘導される。これが小胞体ストレス応答である。本研究では、小胞体ストレス応答を促す転写因子であるHac1を人為的かつ恒常的に発現させた酵母細胞において、その増殖遅延を回復する手法が見い出され、非ストレス時にも小胞体が伸展し、脂質や分泌タンパク質の産生量を増大することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵母は安価かつ簡便に培養できる単細胞の真核生物であり、他の真核生物の遺伝子を導入することにより、本来は酵母が作らない物質を合成させることが可能となる。例えば、ヒトの遺伝子の導入により、抗体やインターフェロンなどヒト由来タンパク質を分泌生産させ、それらは医薬品として用いることができる。また、テルペノイドなど植物が作る脂質類を酵母に作らせる技術も開発されている。これらの有用物質は細胞の中で小胞体と呼ばれる部位で合成されており、本研究では、酵母の遺伝子操作にて、小胞体を伸展し、有用物質の産生量を向上することに成功した。
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