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植物ミトコンドリアゲノム形質転換による窒素固定能獲得

研究課題

研究課題/領域番号 22K19140
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分38:農芸化学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

木村 光宏  九州大学, 農学研究院, 特任准教授 (00372342)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードミトコンドリア / 窒素固定 / ニトロゲナーゼ / タバコ / クラミドモナス / シアノバクテリア
研究開始時の研究の概要

化学窒素肥料は飛躍的な作物増収をもたらしてきたが、その化学合成は高温高圧下で行われ、大量のエネルギー消費や二酸化炭素の放出を伴う。化学窒素肥料からの脱却はSDGsの観点からも重要であるが、その解決策は未だ見出されていない。植物は空気中の窒素分子を直接利用することはできないが、原核生物の一部は空気中の窒素分子を原料として、有機窒素化合物を生成する窒素固定能を有する。本研究は、植物にこの窒素固定機構を導入することで、化学窒素肥料の削減に寄与する作物の作出を目標とする。

研究実績の概要

根粒菌など一部の原核生物が行う窒素固定反応はニトロゲナーゼにより触媒される。このニトロゲナーゼを作物に導入し、窒素固定を行わせることで窒素肥料を施肥することなく、高収量・高品質の作物生産を維持することが期待できるが、光合成で発生する酸素に対するニトロゲナーゼの脆弱性や、反応に必要な電子やATP量が不十分であることから、ニトロゲナーゼを導入した高等植物の作出は成功していない。真核生物オルガネラであるミトコンドリアは、1)電子伝達系を介して酸素が水に還元されること、2)ATP合成酵素によりATPが大量に合成されること、3)電子伝達系より活性酸素の原因となる電子が漏出することなど、高等植物にニトロゲナーゼを導入する場としての条件を満たしていると考えられる。
そこで、本研究では、タバコおよび微細藻類クラミドモナスのミトコンドリアゲノムに窒素固定能をもつシアノバクテリア、Leptolyngbya boryanaのnif遺伝子クラスターを含むDNA領域(Tsujimoto et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2014)を導入する。また、より低酸素環境を実現するため、nif遺伝子クラスターは根のミトコンドリア特異的に発現させる。まず、ミトコンドリア移行シグナルと窒素固定遺伝子群の発現を制御する遺伝子、cnfRをコードする遺伝子を融合し、根細胞特定的なプロモーターで制御した外来遺伝子を作成し、核ゲノムへ組み込む。この方法によりニトロゲナーゼの酸素による不可逆的な失活を避けて、窒素固定能を獲得した形質転換タバコおよびクラミドモナスを作出することができると考えている。現在、タバコおよびクラミドモナス形質転換体の作出に向け、プラスミドの作成を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

異動に伴い、研究設備の設置や備品・消耗品の新規購入が必要であったことや、nif遺伝子クラスターを含む約30kbのDNA領域をプラスミドに導入することに難航したため、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

nif遺伝子クラスターを含むDNA領域をミトコンドリアゲノムに導入し、また、ミトコンドリア移行シグナルと窒素固定遺伝子群の発現を制御する遺伝子、cnfRをコードする遺伝子を融合したものを、窒素欠乏に応答するプロモーターで制御した融合遺伝子を核ゲノムに導入する。研究に遅れが生じていることから、これらの遺伝子はタバコだけでなく、生育の早い微細藻類クラミドモナスにも導入する。これらの形質転換体のnif遺伝子クラスターの発現を解析し、窒素欠乏培地上で生育できるか検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Particle bombardment-assisted peptide- mediated gene transfer for highly efficient transient assay2023

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhiro Kimura, Akira Endo, Yozo Nagira and Takeshi Yoshizumi
    • 雑誌名

      BMC Research Notes

      巻: 16 号: 1 ページ: 46-46

    • DOI

      10.1186/s13104-023-06320-3

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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