研究課題/領域番号 |
22K19142
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
喜田 聡 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80301547)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / サーカディアンリズム / 時計遺伝子 / 記憶想起 / cAMP / 夕暮れ症候群 / 必須アミノ酸 / 老化 / 生物時計 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症克服は世界的課題である。主症状の一つが夕方に会話困難、徘徊、妄想的言動等の症状か増悪する「夕暮れ症候群」であるが、この機構は不明である。また、認知症の記憶障害は「想起(思い出せない)障害」である可能性も指摘されている。一方、代表者は生物時計に障害を与えた遺伝子変異マウスでは夕方に想起能力が低下すること、生物時計が想起を制御することを示しており、この成果から「夕暮れ症候群は生物時計の異常による時間帯依存的な想起障害と関連する」との仮説を立てた。本研究では、この仮説に基づき、生物時計の異常による想起障害の観点から夕暮れ症候群の機構解明を目的として、生物時計の障害と認知症との関連を追求する。
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研究実績の概要 |
認知症モデルマウス(ADモデルマウス)である5XFADマウスを入手し、海馬依存性記憶を形成する恐怖条件づけ文脈学習課題を用いて行動解析を実施し、時計遺伝子BMAL1の変異型マウスと同様に、明期開始後10時間(ZT10)付近に記憶障害が観察されることが確認された。さらに、アデノ随伴ウイルスを用いて5XFADマウスにBMAL1遺伝子のノックダウンを施した影響の解析を継続している。一方、必須アミノ酸であるトリプトファン(TRP)は、脳内では情動、睡眠、摂食、学習と記憶などの認知機能等を制御する神経伝達物質セロトニンに変換される。本課題では、TRP投与により記憶制御プロセス群が向上する可能性を検討した。社会的認知記憶課題においてトレーニングの24時間後にテストを実施した場合、トレーニングの1時間前、あるいは、テスト1の時間前にTRPを腹腔内投与すると、社会記憶の形成と想起の向上がそれぞれ観察された。TRP投与は記憶想起を向上させることが示唆され、TRP投与がADモデルマウスとBMAL1マウスにおいて観察される記憶想起障害を改善する可能性が示された。また、BMAL1変異マウスの記憶想起能力がZT10付近で時間帯依存的に低下する原因として、ニューロンに対するエネルギー供給低下が関連すると仮説し、グルコースを供給するグリコーゲンホスホリラーゼに着目し、記憶想起に対するグリコーゲンホスホリラーゼ阻害の影響も解析した。社会的認知記憶課題を用いた野生型マウスの解析では、ZT10にトレーニングを行い、24時間後のテスト前にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を腹腔内投与すると想起の阻害が観察され、一方、ZT4で実験を実施した場合には、この想起の阻害は観察されなかったことから、上記仮説が正しいことが支持された。そこで、ADモデルマウスとBMAL1マウスも用いて解析を継続している。
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