研究課題/領域番号 |
22K19147
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金 尚宏 名古屋大学, 生命農学研究科(WPI), 特任講師 (80822931)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 概日時計 / Ca2+シグナル / 温度補償性 / CaMKII / 進化的保存性 / Ca2+シグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
概日時計の研究は1990年代から爆発的に進み、動物や植物においては転写ループモデルが定着した。一方、シアノバクテリアにおいてはリン酸化時計が中心であることが解明された。しかし10年ほど前から、全ての生物種で共通する振動体の存在を示唆するデータが相次ぎ、研究者の間で議論が起こっている。 申請者はこれまでの研究により、種を超えて機能する時計因子としてNCXを見出した (Science Advances, 2021)。本研究では、概日性のCa2+シグナルを担う新規分子を同定し、その役割が生物種で共通して機能するかを検証する。
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研究成果の概要 |
動物において多くの概日リズムは、転写ループによって生み出されている。しかし、転写ループが機能しない動物細胞でも概日リズムが報告され、仕組みの理解に関して混沌とした状態が続いている。申請者はこれまでの研究により、概日性Ca2+振動が転写ループの上位に位置する祖先的な振動体なのではとの考えに至った。本研究では、線維芽細胞や癌細胞といった非興奮性の細胞においても、明瞭な概日性Ca2+リズムが存在することを明らかにした。また、600種類のイオンチャネル阻害剤を用いた薬理スクリーニングから、概日性Ca2+リズムの生成には、K+イオンの制御因子が重要であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体内時計が生み出す約24時間の生物リズムは、動物では睡眠や代謝、免疫などの様々な生理機能に観察される。そのため、体内時計を自由に操ることができれば、動物の生産性や疾患の治療といった生命科学の技術イノベーションに直結する。これまでの研究から申請者は、細胞内Ca2+シグナルは、動物、植物、細菌において共通して機能する祖先的な時計因子であることを見出し、細胞内Ca2+振動、すなわちカルシウムクロックが体内時計の本質であるとの考えに至った。本研究では、非興奮性の細胞においても、明瞭な概日性Ca2+リズムが存在することを明らかとなり、概日Ca2+振動の役割に関して普遍的な役割が明らかとなった。
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