研究課題/領域番号 |
22K19156
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
加治屋 勝子 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (00379942)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | マイクロドメイン / クラスター化 / 血管機能 / クラスター / 細胞膜 / エンドソーム |
研究開始時の研究の概要 |
私達の血管が上手く機能しなくなる時、血管の中ではどのようなことがおこなわれているのか、まだまだ明らかになっていないことが多い。研究代表者は、血管を構成している血管内皮細胞や血管平滑筋細胞という細胞一つ一つの本来の機能に着目し、血管の痙攣や異常な収縮が起こる時に、細胞の膜に存在している脂質やタンパク質の集合体(マイクロドメイン)の影響を受けていることを突き止めた。本研究ではマイクロドメインが血管の機能を支えている機序を明らかにして、病気の予防に役立てたい。この研究成果は、予防医学分野だけではなく、血管機能の向上による運動分野やなどにも繋がることが考えられる。
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研究成果の概要 |
研究代表者は血管機能の破綻に血管内皮細胞及び平滑筋細胞のマイクロドメインが関与していることを突き止めた。一酸化窒素の産生能が低下する内皮機能の破綻や、Ca2+濃度非依存性の持続的な血管収縮が起きる平滑筋機能の破綻が見られる病的状態では、マイクロドメインがクラスター化して巨大化し、陥入構造が取り込まれる様子を透過型電子顕微鏡により観察した。また、いくつかの食品成分を血管系細胞にプレインキュベートさせ、病的状態を人工的に作り出すと、マイクロドメインのクラスター化が起こらなかった。この食品成分が膜との複合体形成において特別な構造特性を持つことは、分子シミュレーションによる三次元解析でも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、病気の予防・診断・治療法の確立や医療費の削減という医療分野に寄与するだけでなく、血管機能の向上による細胞内酸素の取り込みや栄養のエネルギー効率上昇による運動分野での新機能向上という多様性を獲得する可能性を含んでいる。また、血管機能のスイッチングにかかわる食品成分の健康機能性が見直され、食に対する関心が向上し、食料生産分野での成長にも繋がることから、多角的に持続可能な開発目標(SDGs)に貢献でき、我々の世界を変革する取り組みとなる。
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