研究課題/領域番号 |
22K19177
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
高山 弘太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40380266)
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研究分担者 |
野田 俊彦 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 准教授 (20464159)
藤内 直道 愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90791210)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 生体情報計測 / データ解析 / イメージング / 植物診断 / センサ / 物質移動 / 転流 / 蒸散流 |
研究開始時の研究の概要 |
①植物体内差し込み用イオンイメージングセンサの開発,②センサ装着後の植物体を対象とした高精度生体情報計測の実施,および,③センサ装着植物体の環境応答と生育の詳細把握に基づいた安定化(挿入面の活着)の確認を行う。さらに,この植物体を用いて,④植物育成用インキュベータ内での光合成・蒸散の環境応 答に関する基礎的実験を行うことで,イオンイメージングセンサを用いた植物体内の物質移動モニタリ ング技術の開発を達成する。
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研究実績の概要 |
高精度な環境制御が可能な太陽光植物工場の生産性向上のためには,植物の生体情報計測とそれに基づいた栽培環境の適切な制御(Speaking plant approach) が不可欠になりつつある。本研究では,イオン濃度の面的分布のリアルタイム計測が可能なイオンイメージングセンサ技術を応用して,超小型イオンイメージングセンサを植物体内に挿入(embed)し,植物体内の物質移動を直接(in situ)モニタリングする技術を開発する。この技術が開発されれば,これまで極めて困難であった植物体内における物質移動のダイナミクス(物質種の大まかな同定,移動の向きと速度)を明らかにするキーテクノロジになるものと期待される。本年度は,前年度に開発した植物体内差し込み用イオンイメージングセンサ(3mm ×1mm,[厚さ0.3mm]に128×32ピクセルのセンサ素子を有する)を植物の茎に挿入し,内部情報の収集と,取得した画像データの分析を行った。その結果,維管束部を境界として内側に水の動きと考えられる部位を特定することができた(道管内の水の動きと推察される)。また,植物体周辺の環境を変化させつつ,光合成速度・蒸散速度をモニタリングすることが可能な環境制御機能付き光合成蒸散計測チャンバを試作し,これを用いて植物体内差し込み用イオンイメージングセンサの動作試験を試みた。その結果,ある程度の挙動の把握が可能であることを示唆するデータを得たものの,今後生産現場における実証試験が必要であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,太陽光植物工場の生産性向上のために,超小型イオンイメージングセンサを植物体内に挿入(embed)し,植物体内の物質移動を直接(in situ)モニタリングする技術を開発することを目的としている。そのため,実際の生産現場(または,生産現場を再現した農作物生産システム)における実証試験が必要不可欠である。令和5年度の計画では,豊橋技術科学大学に設置したトマト生産温室においてこの実証試験を実施する予定であったが,トマト生産に支障が生じたため,実証試験の期間を十分に確保することができなかった。そのため,令和6年度は生産現場での実証試験を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
①豊橋技術科学大学に設置したトマト生産温室においてこの実証試験を実施する。 ②バックアップとして,豊橋技術科学大学に設置されている人工光植物工場で栽培されているイチゴも計測対象候補とする。
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