研究課題/領域番号 |
22K19179
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大門 高明 京都大学, 農学研究科, 教授 (70451846)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ゲノム編集 / 昆虫 / CRISPR / 節足動物 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫科学は、昆虫の特異な形態・生理・生態を理解することで将来にわたる人類の生存を保証しようとする学問分野である。現在の地球が抱える貧困・飢餓・資源・衛生・生物多様性などの問題を解決するためには、昆虫の多彩な生命現象の分子基盤をこれまでにない深度で理解すると同時に、昆虫が進化させてきた驚異的な生物機能をフル活用する道を拓くことが必要である。本研究は革新的な昆虫ゲノム編集法を開発し、誰でも、すぐに、簡単に、あらゆる種においてゲノム編集を可能とすることによって、昆虫科学の発展を基礎・応用の両面から強力に牽引することを目指す。
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研究実績の概要 |
本課題では、成虫注射によって昆虫のゲノム編集を行うparental CRISPR法の学理を構築し、本法のさらなる効率の向上、多用途化、適用可能範囲の拡大を実現させることを目的としている。2023年度は以下の研究項目を実施した。 (1)「難インジェクション昆虫」における実証試験:従来法(卵への注射)ではゲノム編集が著しく困難であった、カメムシ目昆虫の2種において、DIPA-CRISPR法によるゲノム編集の最適化を行った。諸条件の最適化の結果、両方の種において30-40%のゲノム編集効率を達成することができた。この効率は完全に実用レベルのものであり、カメムシ目において今後スタンダードな技術として普及していくものと期待される。 (2)Cas9エンジニアリング:市販品に依存するというDIPA-CRISPRの限界を打破するために、Cas9の精製法を改善し、Cas9の内製化を達成した。これによってCas9のエンジニアリングが自前で(=代表者のラボで)可能となった。可溶化タグ、DNAテザリングタグ、卵移行タグをCas9に搭載することにより、DIPA-CRISPR法を超えるノックイン効率でparental CRISPRが可能となった。 (3)高効率なノックイン法の開発:上記の改変型Cas9を用いることにより、parental CRISPR法によるノックイン法の向上が見られることを明らかにした。市販品のものと比較して約4倍の高効率となった。 (4)適用範囲種の拡大:DIPA-CRISPRによるゲノム編集に成功していないハエの1種において、卵移行タグの搭載によってゲノム編集個体を得ることに成功した。成功は1例のみであるが、今後の条件検討により効率を改善させることができるものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究項目のそれぞれについて順調に研究が進捗していることに加えて、当初計画を超えた進捗(*)がみられたため。 (*)当初計画にはなかったCas9の内製化を達成し、さらにCas9のエンジニアリングによってノックアウト効率、ノックイン効率の顕著な向上を実現させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたDIPA-CRISPRの研究成果を2024年度中に数報の原著論文として公表する予定である。また、Cas9エンジニアリングの研究成果の公表にむけて、さらに追加実験を行う。
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