研究課題/領域番号 |
22K19183
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
兵頭 究 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80757881)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 植物ウイルス / アブシジン酸 / 抗ウイルス免疫 / 耐性ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
抗ウイルス薬全般に共通する懸念として、耐性株出現の可能性が挙げられる。研究代表者らは植物ホルモンの一種であるアブシジン酸(ABA)が抗RNAウイルス活性を有することを確認したが、同時に、低レベルで蓄積したウイルス中にABA耐性を示すウイルスが出現することを見出した。本結果は、一見効果的なABAの抗ウイルス活性が、耐性ウイルス出現を誘導した可能性を示唆する。本研究課題では、植物ウイルス-ABA系をケーススタディとし、抗ウイルス技術全般に潜在する課題「耐性ウイルス」の理解に挑戦する。
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研究実績の概要 |
アブシジン酸 (ABA) は、植物の発芽調整をはじめとする分化・発生において重要であるのみならず、植物が乾燥をはじめとする非生物ストレスに順応する上で中心的な役割を担う。さらに、ABAは植物の抗ウイルス免疫を誘導し広く植物ウイルス感染を抑制することが示唆され、農業上の様々な有益な効果が期待される。従って、ウイルス病害を含む様々な農業上の問題解決に向けてABAの有効活用が期待される。しかしながら、ABAによるウイルス感染抑制機構の詳細は明らかでなく、ABAの農業利用に向けて、その解明が必要である。 植物RNAウイルスの一種 red clover necrotic mosaic virus (RCNMV) とベンサミアナタバコのモデル実験系を用いて、ABAが確かに抗ウイルス活性を示し、ウイルス感染を顕著に阻害することを確認した 。しかしながら、ABA処理植物から回収した子孫ウイルスと溶媒のみを処理したコントロール植物から回収した子孫ウイルスを別個体の植物に接種し、それぞれの子孫ウイルス株のABA感受性を評価したところ、ABAに対する耐性を示すものが認められた。植物ウイルスは宿主植物細胞へ侵入後、(1) 一細胞レベルでのゲノム複製 (2) 原形質連絡を介した細胞間移行を繰り返し、(3) 維管束系を通じて全身へ蔓延し感染を確立する。ABAがウイルス感染のどの段階に影響することで抗ウイルス活性を示すのか、その分子メカニズムを解析するため、プロトプラストを用いた一細胞増殖系におけるウイルス蓄積量の解析を行った。その結果、プロトプラストにおけるABAのウイルス増殖阻害効果は認められなかった。以上より、ABAはウイルス複製より後期のステップを阻害する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アブシジン酸の抗ウイルス機構における分子メカニズム解明に向けて前進しており、順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
ABAによるウイルス感染抑制機構の詳細を明らかにするため、ABAがウイルス複感染後期ステップや抗ウイルス免疫に及ぼす影響を解析する。また、ウイルスがABA耐性を示す分子メカニズムの解明を目指す。ウイルスがABA耐性変異を獲得した可能性をNGS解析によって検証する。
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