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ウイルス抵抗性研究の高度化に資するゲノム編集タバコプラットフォーム確立への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K19186
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分39:生産環境農学およびその関連分野
研究機関立命館大学

研究代表者

竹田 篤史  立命館大学, 生命科学部, 教授 (60560779)

研究分担者 岩川 弘宙  立教大学, 理学部, 准教授 (60710415)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードウイルス抵抗性 / RNAサイレンシング / Nicotiana benthamiana / アグロインフィルトレーション / RNAサイレンシングサプレッサー / ゲノム編集
研究開始時の研究の概要

本研究では、「ウイルス抵抗性研究の高度化に資するゲノム編集タバコのプラットフォームの確立」を目指す。植物病理学分野でモデル植物として利用されているベンサミアーナタバコは、植物ウイルス研究の分野では、感染できるウイルス種が多いことから、RNAサイレンシングによるウイルス抵抗性と、ウイルスによるRNAサイレンシング抑制の研究に広く用いられてきた。しかし、さまざまな障害が存在するため、これまでのベンサミアーナを用いたウイルス研究では、遺伝学的解析が欠落していた。そこで、本研究では、ゲノム編集を用いることでこの現状の打破に挑み、植物病理学・植物分子生物学・生物工学分野の研究を高度化することを目指す。

研究実績の概要

本研究の目的は、ウイルス抵抗性研究の高度化に資するゲノム編集Nicotiana benthamiana(以下ベンサミアーナタバコとする)のプラットフォームを確立することである。令和5年度には、主にDCL遺伝子のゲノム編集に関連して以下の実験を行った。
RNAサイレンシング関連遺伝子のゲノム編集について:ベンサミアーナタバコにおいて、引続きTGS経路に関与する遺伝子と、PTGS経路に関与する遺伝子のゲノム編集を試みた。TGS経路に関与するDCL3遺伝子がゲノム編集されたヌル分離個体とPTGS経路に関与するDCL2/DCL4a/DCL4b遺伝子がゲノム編集されたヌル分離個体を交配し、選抜することで、TGS経路に関与するDCL3遺伝子とPTGS経路に関与するDCL2/DCL4a/DCL4b遺伝子が全て編集された四重変異体の単離に成功した。また、ベンサミアーナタバコにおいて、PTGS経路に関与するRDR6遺伝子とSDE5遺伝子のゲノム編集にも成功した。
RNAサイレンシング関連遺伝子の機能解析について:作出したdcl四重変異体の生長に関連した表現型は、dcl2/4a/4b三重変異体と同じであった。他方、アグロインフィルトレーション実験を行ったところ、dcl四重変異体ではdcl2/4a/4b三重変異体よりも高い異種タンパク質発現能が確認された。これらの結果を基に、特許を出願した。
VSRの機能解析およびde novo TGSの経時的解析について:VSRの機能解析およびde novo TGS実験を行うために、作出したdcl変異体とGFP発現16cラインおよびルシフェラーゼ発現ラインとの交配を開始した。これまでに、ルシフェラーゼ発現dcl3変異体の選抜と固定に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲノム編集植物の作出が順調に進んでおり、TGS経路とPTGS経路が両方とも欠損していると考えられるdcl四重変異体の単離に成功し、特許を出願することができたため、また、他のRNAサイレンシング関連遺伝子のゲノム編集も完了しつつあるため、「(2)おおむね順調に進展している。」と評価した。

今後の研究の推進方策

令和5年度の進捗状況を踏まえて、令和6年度には、以下の実験を行う計画である。
RNAサイレンシング関連遺伝子のゲノム編集について:引き続き、TGS経路に関与するRDR2, AGO4, AGO6と、PTGS経路に関与するSGS3遺伝子のゲノム編集を進める。また、RDR2とRDR6の同時破壊も進める。
RNAサイレンシング関連遺伝子の機能解析について:作出が完了したsde5変異体の機能解析と表現型観察を行う。単離したdcl変異体でsmall RNAの次世代シークエンス解析を行う。まずは芽生えを用いて解析を行う予定である。また、RDR6, DCL2, DCL3, DCL4遺伝子のクローニングを行い、一過的な相補実験系の確立を試みる。
アグロインフィルトレーションによって誘導される一過的なRNAサイレンシングの遺伝学的解析について:dcl3変異体、dcl2/4a/4b三重変異体、dcl四重変異体で、様々なサイレンシングインデューサーを用いたアグロインンフィルトレーション実験を行い、一過的に誘導されるRNAサイレンシングにおけるTGSとPTGSの役割を遺伝学的に解析する。
VSRの機能解析について:引続き、作出したdcl変異体をルシフェラーゼ発現B13植物と交配したPTGS欠損植物の選抜を継続する。作出に成功しているTGS欠損B13ラインを用いて、既知のVSRのPTGS抑制能に関する再検証を行う予定である。
de novo TGSの経時的解析について:引続き、作出したdcl三重変異体をGFP発現16c植物と交配し、PTGS欠損16c植物の選抜を継続する。完了次第、de novo TGS解析を行う計画である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Structural features of T-DNA that induce transcriptional gene silencing during agroinfiltration2023

    • 著者名/発表者名
      Iida Emi、Kuriyama Kazunori、Tabara Midori、Takeda Atsushi、Suzuki Nobuhiro、Moriyama Hiromitsu、Fukuhara Toshiyuki
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology

      巻: 40 号: 4 ページ: 289-299

    • DOI

      10.5511/plantbiotechnology.23.0719a

    • ISSN
      1342-4580, 1347-6114
    • 年月日
      2023-12-25
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Possible molecular mechanisms of persistent pollen tube growth without de novo transcription2022

    • 著者名/発表者名
      Motomura Kazuki、Sugi Naoya、Takeda Atsushi、Yamaoka Shohei、Maruyama Daisuke
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 13 ページ: 1020306-1020306

    • DOI

      10.3389/fpls.2022.1020306

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana におけるrdr6 ゲノム編集植物の表現型解析2023

    • 著者名/発表者名
      上田颯一、渡邊瑞輝、谷口燿子、元村一基、田原緑、竹田篤史
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] nbago2ゲノム編集植物におけるred clover necrotic mosaic virusの感染性に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      大橋卓、上四元晴香、元村一基、田原緑、竹田篤史
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ダイサータンパク質のdsRNA切断活性に対するフラボノイドの影響2023

    • 著者名/発表者名
      田原緑、山梨里歩、竹田篤史、福原敏行
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamianaにおけるago2/ago7ゲノム編集個体の表現型解析2022

    • 著者名/発表者名
      北村真規、内藤佑里菜、堀裕和、元村一基、竹田篤史
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] フラボノイドがダイサータンパク質の2本鎖RNA切断活性に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      田原緑、山梨 里歩、竹田篤史、福原敏行
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana DCL欠損変異体の表現型解析2022

    • 著者名/発表者名
      渡邊瑞輝、元村一基、田原緑、松本建人、宮﨑光洋、福原敏行、竹田篤史
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana DCL多重変異体を用いたDCL遺伝子の機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      渡邊瑞輝、田原緑、福原敏行、竹田篤史
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [産業財産権] 異種タンパク質の大量生産が可能なナス科植物の四重変異体2023

    • 発明者名
      竹田篤史、渡邊瑞輝
    • 権利者名
      竹田篤史、渡邊瑞輝
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-189645
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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