研究課題/領域番号 |
22K19196
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 浩一郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70447142)
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研究分担者 |
上妻 馨梨 京都大学, 農学研究科, 助教 (70704899)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | リモートセンシング / 分光測定 / 植物 / IoT / センサネットワーク / 植物センサ / ストレス指標 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、気象・気候の「極端現象」として高温・多雨・乾燥などが農作物に影響を及ぼしている。そのため、環境変動に対する植物の生理応答・ストレス評価は喫緊の技術課題である。 このような事情をふまえて申請者らは、植物のストレス指標をフィールド内で多点同時的にその場観察するグリーンヘルスセンサネットワーク構築の着想を得た。本研究は植物に直接取り付けて単体動作する超小型の分光観察ユニットを開発し、環境変化によるストレス・代謝変化のリアルタイム測定に挑戦する。
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研究実績の概要 |
近年、気象・気候の「極端現象」として高温・多雨・乾燥などが農作物に影響を及ぼしている。そのため、環境変動に対する植物の生理応答・ストレス評価は喫緊の技術課題である。このような事情をふまえて申請者らは、植物のストレス指標をフィールド内で多点同時的にその場観察するグリーンヘルスセンサネットワーク構築の着想を得た。 本年度は、植物に直接取り付けられる測定システムの製作実施した。システムは小型・廉価・独立動作などの特徴を備え、非侵襲的に取り付けられるプロトタイプが完成した。屋外で使用することを想定した、防水・バッテリー駆動・近距離無線通信機能を搭載した小型システムであり、センサには小型分光センサを搭載した。本システムは樹木や草木に簡便に取り付けることが可能である。これと並行してデータを収集、リアルタイム解析を行うためにクラウドストレージを用いた簡易なプラットフォームも構築し、植生の受ける環境ストレスを遠隔地からモニタリングする基本システムを構築することに成功した。 このシステムを東京都や静岡県の屋外試験場に設置し、広葉樹の葉に取り付けて長期連続測定を試みた。測定データは、葉が紅葉・落葉する過程を逐一反映しており、ハイパースペクトルカメラなど既存のリモートセンシングとは異なる高品質・高頻度の情報を提供することで、本システムが植物の生育状態を観察するセンサネットワークの構築に使用できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに基本的な測定システムを構築することに成功し、順調に進捗している。一方で、本システムをセンサネットワークとして展開するには、多数の測定ユニットを稼働させる必要がある。今後はユニット同士の設置間隔など多数測定のガイドラインを検討し、通信システムやバッテリー駆動時間の向上などの技術課題に今後取り組む必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
植物の生理活性は、日照・気温・湿度・風速など様々な条件によって個体のみならず個々の葉のレベルで周辺環境から強く影響を受ける。そこで、開発した測定ユニットに、温度・湿度・風速などのセンサを搭載し、多元的に植物および測定対象周囲のごく狭い領域の気象データ(微気象データ)を同時取得することにより、個葉レベルのミクロな知見を多点測定で集積・解析して群落生態のマクロスケールへ適応する。 加えて、従来のハイパースペクトルカメラや分光器と比較した場合に、本システムの測定データの信頼性を検討する。また、分子生物学的知見に基づく解釈と波長選択を検討し、植生の環境ストレスを最も反映するパラメータを選択できるような測定データベースを構築する。
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