研究課題/領域番号 |
22K19217
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
水澤 寛太 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (70458743)
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研究分担者 |
天野 春菜 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (50431341)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | ニシキゴイ / 体色 / 皮膚 / 色素 / カロテノイド / プテリジン / 液体クロマトグラフィー質量分析法 / 酵素 / 紅白 / 黄白 / LC-MS / 背地色 |
研究開始時の研究の概要 |
ニシキゴイの代表的な品種である紅白では、赤い模様の濃さは背地色に応じて変化しない。一方、黄色い模様をもつ品種である黄白では、背地色が明るければ体色の黄色は薄くなり、背地色が暗ければ体色の黄色は濃くなる。これらの赤や黄色の色素は主にカロテノイド類とプテリジン類であるとされる。しかし、背地色などの環境要因がこれらの色素の代謝、生合成、蓄積経路に及ぼす影響はよくわかっていない。本研究は、ニシキゴイをモデル動物として、赤や黄色の体色の生成と環境応答の調節メカニズムを明らかにし、餌だけに頼らない、観賞魚の新たな色揚げ技術の創造を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、赤模様をもつ紅白と黄色模様をもつ黄白という2種類のニシキゴイに着目し、これらの品種における赤・黄色系の色素と、色素の代謝・生合成に関わる遺伝子を調べた。その結果、黄白は餌に多く含まれる黄色系のカロテノイドであるゼアキサンチンをそのまま皮膚に蓄積するが、紅白は吸収したゼアキサンチンを赤色のアスタキサンチンに代謝し、そのエステル体を皮膚に蓄積することが示唆された。本研究ではさらに、別の赤・黄色系色素であるプテリジンを魚類の皮膚から抽出し分析する方法を決定した。また、各品種のニシキゴイの皮膚に発現する遺伝子を比較し、カロテノイド代謝とプテリジン生合成に関わる遺伝子の候補を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ニシキゴイの体内におけるカロテノイドの代謝・蓄積メカニズムに基づいた、新たな色揚げ飼料の開発の基盤となる知見が得られた。また、ニシキゴイの皮膚に含まれるプテリジンを分析することにより、今後、色揚げ餌によらない赤・黄色系の色揚げ技術が生まれることが期待される。また、カロテノイド代謝とプテリジン生合成に関わる遺伝子の発現に関わる環境要因や品種間の遺伝子の違いを解明することによって、体色への影響を考慮した飼育環境の改善や、遺伝子判別に基づいた新たな選抜育種法の開発が進むことが期待される。
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