研究課題/領域番号 |
22K19227
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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研究分担者 |
日高 功太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80547232)
廣田 知良 九州大学, 農学研究院, 教授 (20343949)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 受粉活動 / 訪花活動 / マルハナバチ / イチゴ / 温室 / 環境調節 / クロマルハナバチ / 受粉 / 光電センサ / 状態空間モデル |
研究開始時の研究の概要 |
まず,人工光イチゴ植物工場の制御環境下において,光電センサ・動画と状態空間モデルの組合せでハチ群集の受粉活動の評価方法を確立する.次に,ハチの受粉活動の環境応答を評価するため,高軒高イチゴ温室(九州沖縄農業研究センター)において実験を行い,ハチ群集の受粉活動の環境応答をニューラルネットワークでモデル化する.その後,受粉活動モデルを受粉活動の制御と気候変動研究に展開する.これらによって,作物(光合成)とハチ(受粉活動)の両者を考慮した環境調節技術を確立するとともに,気候変動下での受粉活動の予測と適応策を提案する.
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研究実績の概要 |
研究2年目である令和5年度は,ハチの受粉活動の定量的評価法を確立するために,前年度より実施していたハチ全群集の活動を表す巣箱の出入り動態データの解析を継続して進めた.高軒高温室において,光強度とハチの巣の出入回数の計測値の経日変化を数日間にわたって観測・解析したの結果,両者には有意な正の相関が見られたものの,光強度のピークは晴天日には正午前後,一方でハチの出入回数のピークは9~11時となる違いがあった.すなわち,両者の相関係数は午前において0.59,午後において0.75(有意水準0.1%)となり,ハチの活動には光強度が強く影響することが示されたが,他の要因も存在する可能性も示唆された.その可能性を検証した結果,午前と午後における出入りのピークと環境応答性の違いは,巣での餌の要求量が原因として挙げられた.マルハナバチは巣内で行われる育児行動に昼夜で差が無く(Yerushalmi et al., 2006),夜間も巣内に貯蓄した餌を幼虫に与えて育児をするが,巣内の貯蓄量は1~2日分しかない(光畑, 2010)ため,夜明け前の餌の貯蓄量は1日の中でも少なく餌の要求量は大きくなったと推察された. 次に前年度から計画していた,高度な制御環境条件下(人工光植物工場)におけるハチの活動のモニタリングに向けて,定点ビデオカメラによるハチ少数群の観察と電子天秤による巣箱の重量の電子天秤による観測の組み合わせ法を採用し,その準備を行った.観測体制を概ね整えたものの,前年度から引き続き栽培植物の病虫害の影響が大きく,大がかりな観測の実施は困難であった.そのため,タイムラプスカメラによる予備的な観測のみに留まざるを得ない状況であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度より実施していたハチ全群集の活動を表す巣箱の出入り動態データの解析を継続して進めたことで,ハチの訪花活動と光強度との間の相関関係が午前と午後で異なる様相を示す原因についての検証を行い,巣での餌の要求量が原因の可能性として示すことができた.しかしながら,人工光植物工場における観測については,前年度に引き続き栽培植物の病虫害の蔓延から,極簡易的な観測しか実施することが出来なかった.このように,ハチの活動の特徴と原因についての解析が進んだ一方で,人工光植物工場における実験を十分に実施することが出来なかったため,現在までの進捗状況を「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
前年度に計画していた人工光植物工場における観測を,栽培植物の継続的な病虫害の影響により実施することができなかった.この状況が長く続いているため,今年度はこの計画を見直し,太陽光植物工場における観測に重きをおくことにする.観測体制として,定点ビデオカメラによるハチ少数群の観察と電子天秤による巣箱の重量の電子天秤による観測の組み合わせ法を採用し,この手法の安定的な利用態勢を整え,今年度中に太陽光植物工場における観測とデータ解析を実施して対応する.
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