研究課題/領域番号 |
22K19231
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
堀 俊和 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究領域長 (20414451)
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研究分担者 |
井上 敬資 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (60414455)
廣瀬 裕一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (40399366)
泉 明良 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 主任研究員 (10782203)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ため池 / 水難事故 / すべり抵抗係数 |
研究開始時の研究の概要 |
全国16万か所のため池周辺に住宅が増加しており、人が転落して死亡する事故が跡を絶たない。水難事故対策には、①啓蒙対策、②侵入防止柵、③脱出補助対策等があるが、本研究では、万が一人がため池に転落した場合でも自力で脱出できるための脱出補助対策に関する研究開発を行う。始めに、水槽内に様々な材質や勾配のため池の斜面模型を作成し、人が斜面上を上って脱出する時間等を測定し、ため池転落時の「脱出困難度」を評価する。次に、同様の実験により、人が上るためのネットやロープ等の脱出補助対策の効果を定量的に評価する手法を開発する。ため池の脱出困難度を評価するとともに、実際のため池で実証試験を行う。
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研究実績の概要 |
研究所内の模型水槽に、材質や勾配の異なるため池斜面を作成し、14人の研究対象者においてため池の這い上がり実験を行った。表面遮水シート・土斜面の急勾配では殆どの研究対象者が登れず、表面加工シート・土斜面の緩勾配やブロックマット・張ブロックなど足がかかる斜面では全員が這い上がれた。這い上がり率(各区分での這い上がった人数の割合)は、身長が高かったり、年齢が低かったりすると大きかった。這い上がり実験で使用した靴のすべり抵抗係数は、湛水させた状態(約3mm 水深)では①土、②表面遮水シート、③コンクリート(張ブロックの平の部分)、④表面加工シートの順で小さく、這い上がった人数の少ない順と同じであった。コンクリートは表面加工シートよりすべり抵抗係数が小さいが、張ブロックでは足をかけられたことにより全員登れたと考えられた。斜面ごとの力の関係を考えた場合、斜面垂直力にすべり抵抗係数を掛けた値を斜面方向力で割った値が大きいほど這い上がり率が高かった。ため池の模型斜面における這い上がり時のデータは今まで取られたことがなく、倫理審査委員会の審査を受け実施できたことは、今後のため池の人を対象とした実験を行う上で、意義が大きい。また、本実験は、ドライスーツを着用したためある程度浮力が働いていたり、実際の斜面にはコケ等が生えていたりするため、実際の条件と異なる可能性はあるものの、足をかけられない斜面の場合は這い上がれない場合があること、材料毎のすべり抵抗係数と斜面傾斜から脱出困難度を評価できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、人を対象とした這い上がり実験を実施し、材料毎のすべり抵抗係数と斜面傾斜から脱出困難度を評価できることが示唆され、ため池の脱出困難度の評価手法の開発に向けて順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
様々な上流斜面の形式、勾配に応じて、脱出補助対策の効果を定量的に評価する手法の開発を行う。脱出補助対策として、つかまって這い上がるための上流斜面ネットや突起のついたブロック、単なるロープなどを想定し、研究対象者による実験を行い、これらの対策の定量的な効果を評価する。
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