研究課題/領域番号 |
22K19235
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | イヌ糸状虫 / ヤブカ / 犬糸状虫 / 蚊 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は現在までの研究でフィールド由来の蚊コロニーから犬糸状虫を媒介しない蚊を遺伝学的に分離する手法を発見した。本研究ではこの発見を基盤とし、日本に生息するベクター蚊から、犬糸状虫を媒介しない蚊を遺伝学的に分離する。これらの蚊コロニー群を用いて「フィラリア非媒介蚊バイオリソース」を構築し病原体を媒介しない蚊による犬糸状虫症の制御に向けた学術基盤を創出することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では日本に生息する様々な種のベクター蚊から、犬糸状虫を媒介しない蚊を遺伝学的に分離する。これらの蚊コロニー群を用いて「フィラリア非媒介蚊バ イオリソース」を構築し病原体を媒介しない蚊による犬糸状虫症の制御に向けた学術基盤を創出することを目指す。 全年度までに、フィールドから得られた蚊のうち、特にヒトスジシマカ2コロニーに着目して研究を進めた。ヒトスジシマカコロニーについてはイヌ糸状虫の感染表現型の解析を行った。また感染表現型を指標として兄妹交配・継代を行い、感染性の確認および感染表現型の遺伝学的固定がヒトスジシマカで可能なのか否かを検証した。その結果、今回得られら2コロニーについては感染感受性が低い個体が多いことが明らかとなった。フィラリア感染率は20%以下であった。感染表現型固定については、感染感受性型についてはそもそも感染型遺伝的バックグラウンドが小さかったことが推測され、また近交によるダメージが大きく、残念ながら感染型表現型の固定系統の樹立には現在のところ至っていない。しかしながら、感染低抗性表現型系統について感染性のバックグランドが正に作用したため、ヒトスジシマカーイヌ糸状虫非媒介性系統の樹立に成功した。今後この抵抗性系統のイヌ糸状虫抵抗性メカニズムを分子生物学的に解析する予定である。また、イヌ糸状虫陽性個体の周辺で蚊を採集することにより、自然界でイヌ糸状虫に対する感受性のナチュラルセレクションがなされた蚊を入手するためのフィールドワークを計画している。以上によりイヌ糸状虫に関する蚊のバイオリソースを増強していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィールド由来のサンプルからのネッタイイエカのコロニー化が近交係数の上昇により困難であったこと、またフィールド由来ヒトスジシマカの感染感受性が予想外に低かったため。しかしながら感染感受性が低い群の存在は今後の研究には極めて有意な発見であった。
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今後の研究の推進方策 |
特にヒトスジシマカに注力し、フィールド由来ヒトスジシマカについて高感受性系統の捕獲とコロニー化を目指す。またラボ系統のヒトスジシマカについても多系統を入手し感染感受性の比較解析と表現型固定毛系統を樹立する。
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