研究課題/領域番号 |
22K19243
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
志水 泰武 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40243802)
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研究分担者 |
堀井 有希 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 助教 (20888531)
宮脇 慎吾 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70756759)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 冬眠 / 低体温 / 低温ショックタンパク質 / 転写後調節 / ゲノム編集 / 選択的スプライシング / 低温耐性 / 遺伝子編集 / 転写誤調節 |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠中の動物は示す特徴は驚異的であり、ヒトや伴侶動物で再現させることができれば、医療に大きな変革をもたらすと期待される。しかし、冬眠しない動物では25℃以下の低体温になると生じる臓器の傷害が障壁となって、人工冬眠は実現していない。本研究では、冬眠動物の特徴を医療応用することを目指し、マウスの遺伝子を編集する技術を用いて、冬眠しない動物でも普遍的に機能し、低体温時に生じる臓器傷害を回避できる仕組みを解明する。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、冬眠動物において低温ショックタンパク質(CIRP)がスプライシングレベルで発現調節されることを発見した。本研究では、この調節機構が冬眠しない動物でも普遍的に機能し、低体温時に生じる臓器傷害を回避できるか検討した。 冬眠時スプライシングパターンの冬眠型と冬眠パターンとならないバリアント型のゲノム編集マウスを作出した。強制的に低体温を誘導した場合、バリアント型では体温が20℃を下回ると激しい不整脈が出現し、約半数で心停止が起こった。一方、冬眠型では不整脈の発生が軽微であり、心停止する個体はわずかであったことから、冬眠型のCIRP発現が心臓の低温耐性に有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工冬眠は極めて困難な課題であるが、成功すれば医療に大きな変革をもたらすと期待できる。しかしながら、冬眠しない動物では25℃以下の低体温になると臓器が傷害されることが障壁となって、人工冬眠は実現していない。本研究では、低温下で細胞を保護する作用のあるCIRPに着目し、冬眠動物が示す特徴的は発現をゲノム編集技術によりマウスで再現した。このようなマウスでは体温が20℃以下になっても正常な心拍動が維持されることが明らかになったことは、冬眠しない動物に冬眠様低体温に誘導し、医療応用できる可能性を示唆するものであり、学術的意義、社会的意義の高い発見であると言える。
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