研究課題/領域番号 |
22K19252
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
藤田 秋一 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (60282232)
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研究分担者 |
正谷 達謄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70614072)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 脂肪酸 / ナノスケール / 急速凍結 / フリーズフラクチャー / 電子顕微鏡 / 生体膜 / 脂質 / ナノスケール解析 / 微細局在 / 多価不飽和脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では急速凍結・凍結割断レプリカ標識(QF-FRL)法を改良することにより、新規凍結割断レプリカ標識法を開発し、今まで困難であった膜脂質の疎水性領域である各種脂肪酸の微細分布の解析を可能にすることを目的とする。近年、不飽和脂肪酸(UFA)の生体内での増加が発癌、癌転移、精神疾患、インスリン抵抗性の改善など種々の生理及び病理機能に関与することがわかってきた。UFAが、どのように細胞に作用して機能関与するのかなど作用機序は全く不明である。新規凍結割断レプリカ標識法を開発することにより、世界に先駆けて、UFAがもたらす生理的作用の機序解明の基礎的情報を獲得できると確信する。
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研究成果の概要 |
理論的にはエッチングを行なって脂質二重層の疎水性領域を暴露したレプリカ薄膜を作成できると考えられる。しかしながらこのレプリカ薄膜では、アルキン化オレイン酸あるいはアルキン化アラキドン酸共に、生体膜において特異的な標識を得ることはできなかった。一方、エッチングをしなかった今までの方法(QF-FRL法)で作成したレプリカ薄膜では、ミトコンドリア膜においてアルキン化アラキドン酸のアルキン基を標識することに成功した。これらの結果から、生体膜に存在するアラキドン酸が親水性領域側にアルキン基、つまり脂肪酸の末端が露出していることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来の方法とは逆に親水性頭部側から炭素を蒸着してレプリカを作成し、露出した膜脂質尾部の脂肪酸を標識する方法の開発を試みたが、現在までのところ予想したような結果は得られなかった。今後、この方法を開発するには課題は多く残るが、脂肪酸鎖の分布をナノスケールで明らかにすることができれば、これまでにない全く新しい知見を得られると確信している。
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