研究課題/領域番号 |
22K19262
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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研究分担者 |
永森 收志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90467572)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | タンパク質細胞内輸送 / タンパク質選別輸送 / タンパク質膜挿入 / ミトコンドリア / 小胞体 / 糖脂質 / MPIase / 細胞内選別輸送 / リポソーム |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質が細胞質で生合成されたのち、それらが機能を発揮する場所に輸送され局在化する。申請者らは、モデル生物大腸菌のタンパク質膜挿入機構を研究し、膜挿入に必須の糖脂質MPIaseを発見した。タンパク質膜挿入機構は基本的にすべての生物で保存されているため、真核生物でもMPIase様の機能をもつ物質が存在する可能性を着想した。本研究では真核生物のMPIaseホモログを同定し、構造機能解析を進める。真核生物MPIaseホモログは、細胞内タンパク質局在化に関する未解明の問題をすべて解決する最後のミッシング・ピースと位置付けられる。
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研究成果の概要 |
タンパク質が細胞質で生合成されたのち、それらが機能を発揮する場所に局在化する。多くのタンパク質がオルガネラや細胞質膜に挿入する。この分子機構は、基本的なレベルではすべての生物で保存されている。大腸菌では糖脂質MPIaseが膜挿入に必須である。本研究では、ヒト由来の細胞のミトコンドリアや小胞体にMPIaseホモログが存在することを実証し、その精製、構造機能解析を通して局在化機構が不明な、膜タンパク質の選別輸送・膜挿入機構を明らかにすることを目的に研究を進めた。ミトコンドリアや小胞体にはそれぞれ特有のMPIaseホモログが存在し、膜挿入だけでなく選別輸送にも関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の細胞内局在や膜挿入の分子機構については、様々な手法を用いて精力的に研究されている。特に、タンパク質性の因子については、局在化・選別輸送や膜挿入に関わる因子はすべて同定されていると考えられている。一方、非タンパク質性の因子については、比較的注目されてこなかった。本研究で同定した、オルガネラの各MPIaseホモログは、タンパク質選別輸送・膜挿入といったタンパク質局在化に関する未解明の問題をすべて解決する最後の「ミッシング・ピース」とも位置付けされるものと言える。特に、ミトコンドリアは老化や生活習慣病にも深くかかわるオルガネラであるため、これらの分子機構の解明も進むことが期待される。
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