研究課題/領域番号 |
22K19276
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90201326)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | DNAメチル化 / 構成的アプローチ / Cas9 / ナノポアシーケンシング / 出芽酵母 / ゲノム編集 / DNMT5 / 合成生物学 / 酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、人工ゲノムを設計・合成する「ゲノム合成」という研究分野が急速に発展している。しかしながら、真核生物ゲノムの機能制御に重要なエピジェネティク修飾であるシトシンメチル化までも含むゲノム(メチローム)の合成は行われていない。本研究では、エピジェネティクスの基本動作原理の実装を通して、酵母細胞内の人工ゲノムに真核生物の特徴である広域メチル化を誘導することに挑戦し、「メチローム合成」の技術基盤の創成を目指す。
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研究成果の概要 |
内在性DNAメチル化を有しない出芽酵母をモデルに、人工的に導入したメチル化領域の維持に挑戦した。まず、メチル化が出芽酵母の生理機能に影響を与えないように、標的領域として大腸菌λファージDNA48.5 kbをHO遺伝子座に導入するゲノム編集法を確立した。併せて、必要なゲノム編集用ベクターシリーズの高度化とナノポアシーケンシングによるゲノム編集およびメチル化の検出系も構築した。更に、外来性DNAのメチル化維持のために、Cryptococcus neoformans由来の維持DNAメチレースの誘導発現系を構築し、当該タンパク質の発現と核移行を確認した。これにより、上記の挑戦への基盤が構築された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来性メチル化DNAの安定な維持が可能になると、エピジェネティック情報を保持した形でのクローニングが可能になり、様々な応用の可能性が拡がる。と同時に、メチル化領域の形成と維持も人工的に再現できれば、エピジェネティクス機構の構成的理解という意味でも大きな学術的意義が生じる。今回の成果は、こうした究極の目的に向けた挑戦の基盤が整備されたという点で一定の意義を有する。
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