研究課題/領域番号 |
22K19282
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久米田 博之 北海道大学, 先端生命科学研究院, 学術専門職 (00399966)
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研究分担者 |
姚 閔 北海道大学, 先端生命科学研究院, 名誉教授 (40311518)
尾瀬 農之 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (80380525)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | NMR / 結晶構造解析 / IDP / CD / Native-MS / disorderd protein / natural product / polyether / IDR / 天然物生合成 / ポリエーテル |
研究開始時の研究の概要 |
天然物生合成経路を担う酵素群は,基質や反応の多様さ故に,有機化学的および蛋白質科学的なタレントの宝庫と考える。エーテル環化を担っていると予測されていたMonBI, MonBIIの2つの蛋白質を用い,酵素反応解析とともに結晶解析,CD,熱量測定,X線小角散乱により解析した。その結果,MonBIには触媒活性が無いが,MonBIIとの何らかの相互作用により,MonBIIに酵素活性を与えることがわかった。さらにNMRによる解析から,MonBIIがMonBIからどのように影響を受けるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
イオノフォアポリエーテルモネンシンの生合成におけるエーテル環化にはエポキシド加水分解酵素様のMonBIとMonBIIが関わっている。これまでMonBIIは単独で構造非形成であり,MonBIとの相互作用により構造形成して触媒活性を発現することから、IDP酵素であることが示唆されていた。本研究ではさらに,MonBIIがIDPであることを証明するため,新たに構築した蛋白質調製系を用い,ゲル濾過クロマトグラフィ,NMR,far & near UV-CD,native-MS,を使用して分析した。活性型MonBIIは単量体であり,モルテン・グロビュール状態のような性質をもつことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
立体構造非形成蛋白質(IDP)はシグナル伝達経路に多く発見されているが,酵素全体がIDPである報告例は無かった。我々は本研究により,ポリエーテル系天然物生合成経路にはIDP酵素(MonBII型酵素)が存在することを,世界で初めて提示した。MonBIIがIDP酵素として存在する意義としては,形の異なった基質を認識するためのカメレオン的可塑性を発揮できることが挙げられる。確立した独自の素材・実験系をさらに応用すれば,蛋白質研究の根底命題であるフォールディング過程をNMRを用いてタイムラプス観測できると考えている。
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