研究課題/領域番号 |
22K19284
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
白木 賢太郎 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90334797)
|
研究分担者 |
菅井 祥加 東京工業大学, 国際先駆研究機構, 特任助教 (10905566)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | タンパク質 / 凝集 / 相分離 / アミロイド / 液滴 / 凝集体 / 添加剤 / 共溶質 / 生物学的相分離 / タンパク質凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、タンパク質の凝集抑制剤や構造の安定化剤として開発されてきた共溶質が、プリオン様タンパク質の液滴やアミロイドの安定化に効果が見られるのかを調べる。共溶質として変性剤やオスモライト、カオトロープ、高分子、糖質など、特徴の異なるものを系統的に調べ、液滴や凝集体の形成に影響するメカニズムを明らかにする。液滴や凝集体の性質を顕微鏡や分光法で明らかにする。最終的に、アミロイドやアモルファル凝集体の形成が液滴を経由するのかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
タンパク質は凝集や相分離、ゲル化、アミロイド化などの多様な状態をとるのが特徴である。特にタンパク質の液滴から凝集体への状態変化は、疾患の原因解明につながるため注目を集めている。本研究ではタンパク質の相分離と凝集の状態を合理的に制御することを目的とした。その結果、相図を活用することで合理的に理解できることを明らかにした。さらに、狭小空間の方がアミロイドの核形成が遅くなること、液滴にフォールドしたタンパク質が取り込まれるときに多相化すること、液滴のサイズは低分子のATPで制御できることなども発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、タンパク質の凝集と相分離の状態変化を、どうすれば合理的に理解し、制御できるのかというタンパク質に固有の難しい課題にチャレンジした。古典的な相図を用いることで、相分離した状態を安定に保つ条件と、凝集へと成熟する条件が見分けられることがわかった。このようなタンパク質の凝集と相分離のメカニズムの理解が深まれば、バイオ医薬品の安定化や、食品タンパク質の性質の制御など、タンパク質に関連する産業に広く役立つ情報を提供できる。
|