研究課題/領域番号 |
22K19289
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
箭原 康人 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60456390)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 細胞融合 / 系譜解析 / 胎児卵黄嚢 / 造血幹細胞 / 遺伝子バーコード / 細胞系譜 / シングルセル解析 / DNAバーコーディング |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞はマクロファージ・単球系細胞が融合を繰り返すことで形成される多核巨細胞である。本研究では、単一細胞RNA発現解析とDNAバーコーデイングシステムを融合することによって、細胞起源や遺伝子プロファイルの異なる破骨前駆細胞が分化・融合する過程を詳細に観察・追跡する基盤技術を創出する。性質の異なる複数の前駆細胞が融合を繰り返しながら、1つの破骨細胞を形成する過程を詳細に追跡することで、多核細胞形成ダイナミクスの基本原理の解明に挑戦する。新規に考案する多核融合細胞の細胞系譜技術は、これまでには解析が不可能であった破骨細胞の多様性構築メカニズムの解明を可能とする画期的な新手法になり得る。
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研究成果の概要 |
破骨細胞は、前駆細胞が融合することで形成される多核細胞である。本研究では、遺伝子プロファイルが異なる破骨前駆細胞が融合する過程を追跡する基盤技術を創出することを目的とした。起源が異なる破骨細胞を独立した3種類の蛍光蛋白によって標識するマウスを樹立し、ISH法を用いて蛍光蛋白をコードするRNAを検出することで、破骨細胞毎の起源を同定した。さらに、分子バーコード、gRNA、Cas9を破骨細胞特異的に発現するマウスを樹立し、バーコードに刻まれた傷をもとに細胞系譜を解析するマウスを樹立した。一つの破骨細胞を構成する前駆細胞の多様性や細胞融合の規則性を解析する新技術の創出に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、一つの成熟破骨細胞を構成する前駆細胞の多様性や細胞融合の規則性を網羅的に解析する新技術の創出に貢献した。新たに樹立した多系統破骨細胞の系譜解析マウスは、従来の解析法では観察が困難であった細胞同士の融合現象やその生理的意義に関する洞察を深め、多核細胞形成ダイナミクスと、その多様性構築メカニズムの解明を可能にする画期的な手法を提供した。この新手法は、破骨細胞の病的活性化や機能不全における細胞融合メカニズムの解明に向けた研究成果に繋がると期待される。
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