研究課題/領域番号 |
22K19296
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
安永 卓生 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60251394)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 電子顕微鏡 / 電子線回折 / 量子化学計算 / 静電ポテンシャル / 構造生物学 / 生物物理学 / 電子配置 / 電子状態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子線回折法と量子化学計算を組み合わせることにより「分子内の原子の持つ、電子分布に依存する分極状態を可視化する手法の研究開発」を行う。分子内の原子の分極状態が分かることによって、その分子の反応性や非共有結合性結合の推測や評価が、実験的に可能になる。結果として、生物のもつ酵素の反応性や創薬における分子の設計などに繋げることができる。
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研究成果の概要 |
電子線回折による構造解析において、小分子であるアセトアミノフェンを用いて、電子線回折と量子化学計算による電子密度及び静電ポテンシャルを用いて、構造の精密化を行うための手法を開発した。その結果、従来の電子密度によらず、静電ポテンシャルによる構造解析を行うことで、R因子の低下がみられ、静電ポテンシャルを用いて構造解析を行うことが適切であることが示された。加えて、水素原子の精密位置を静電ポテンシャルを用い、R因子を評価関数とすることで、精密化できた。電子密度を用いた場合とはその配置が異なった。比較したところ、静電ポテンシャルを用いて決定した水素原子の配置が適切である可能性が高いことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
創薬などの立場から分子の構造設計を行う場合には、精密な分子構造決定が必要である。また、分子設計やリガンドとしての対応タンパク質などへの結合状態を明らかにするためにも、分子のもつ電子分布を求めることが求められる。しかし、原子毎の荷電情報を考慮した解析はあったが、量子化学と組み合わせ静電ポテンシャルで評価したものはない。今回、静電ポテンシャルを用い構造野精密化の可能性を示唆するデータを得たことから、計算コストを投じて、精密構造解析を行う学術的意義が示された。また、創薬を含め、生物学的な課題を解決するための技術として、電子線回折を通した静電ポテンシャル及び電子配置の精密化が重要であることを示した。
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