研究課題/領域番号 |
22K19302
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
田中 冴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特任助教 (60770336)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 乾燥耐性 / クマムシ / ライブイメージング / 外来遺伝子発現 / トランスジェニック / バイオイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
クマムシという微小動物は乾燥耐性をもち、周辺環境が乾燥すると、体内の水分量を3%以下まで低下させた状態になる。この状態では、タンパク質合成などの代謝は一時的に停止するが、給水後約15分で元の状態に戻ることができる。 申請者は、GFPなどのタンパク質をクマムシにおいて発現させるシステムを新規に開発した。これにより、脱水していくクマムシの中でどのような現象が起きているのかをそのまま可視化することができるようになった。本研究ではこのシステムを用いて、乾燥耐性に関わるとされているタンパク質の挙動や細胞の変化を観察し解析していく。
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研究成果の概要 |
乾燥耐性をもつクマムシという微小動物は、乾燥時に体内の水分量を3%以下まで低下させた無水生命状態(乾眠)に入る。この状態では、酸素消費やタンパク質合成などの代謝は一時的に停止しているが、給水後15分ほどで元の状態に戻ることができる。これまで、クマムシの乾眠機構の解明に向け、ゲノムやプロテオームなどのオミクス解析をおこない、いくつかの乾眠候補遺伝子を同定してきた。次の段階として、本研究では、クマムシ独自の遺伝子発現システムを新規に開発することで、クマムシ個体内で任意の遺伝子の強制発現を可能とし、世界で初めてのクマムシのライブイメージングに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クマムシの乾眠能力は、生体の完全な乾燥保存の良いモデルであるだけでなく、生き物のなかの自由な水分子が存在しない状態として「生命に水は必須である」という生物学的な常識に切り込むことができるという点でも非常に興味深い。本研究で開発したクマムシへの外来遺伝子導入手法は、クマムシの細胞内において脱水・給水の過程でどのような現象が生じているのかをライブで観察することを可能にした。本研究成果は、SNSや国内の新聞で複数取り上げられたほか、イメージングの賞 NIKON JOICO AWARD 2023を受賞した。
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