研究課題/領域番号 |
22K19311
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
遊佐 陽一 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60355641)
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研究分担者 |
田川 訓史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (00403577)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 嚢舌類 / 自切 / 再生 / 光合成 |
研究開始時の研究の概要 |
嚢舌類ウミウシの2種が,首から下の体部を自切し,頭部から新たな心臓を含む体部全体を再生することが最近発見された。本申請課題では,この特異な現象のメカニズムや進化について理解するため,4つの研究プログラムを設定する。具体的には,1)再生中に発現量の変動する遺伝子群の特定や再生に関与する細胞の同定を試み,2)さまざまな部位で自切を誘導して,各器官・組織の再生の様相を調べる。また,3)自切後の頭部を異なる餌や光条件で飼育することで,再生における盗葉緑体の関与を明らかにし,さらに4)多種の嚢舌類の再生能を調べ,系統との関係を解析する。
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研究実績の概要 |
他に類をみない嚢舌類の自切・再生現象の総合的理解を図るべく,4つの研究課題を設定し研究を推進した。 1)再生プロセスの遺伝学的解明:幼若個体から老齢個体までの齢のコノハミドリガイに自切を誘導し,自切しない個体をコントロールとして,その後の再生プロセスを詳細に追跡することを試みた。ただし,コノハミドリガイの飼育が安定せず十分な実験個体数が得られなかったため,他に実験に適した種を数多く探索し,チドリミドリガイがもっとも実験室内での飼育が容易で,現時点でのモデル生物として適切だと判断した。チドリミドリガイで再生に関わる遺伝子を特定するため,自切後の再生部位からRNAを抽出し,十分量のRNAが得られることを確認した。 2)自切部位と器官・組織の再生:コノハミドリガイを用い,自切面より前や後ろのさまざまな位置で自切を誘導し,自切部位とその後の再生との関係を調べた。自切面より後部の場合は問題なく再生することが明らかになった。 3)盗葉緑体との関係:コノハミドリガイで自切を誘導し,強光と弱光,および餌の有無を組み合わせた4条件が再生に及ぼす影響を予備的に調べた。盗葉緑体による光合成が再生に関わることが示唆された。 4)嚢舌類の系統における自切・再生能の進化:嚢舌類およびその姉妹群である有肺類の多くの種を野外から採集し,大規模再生の可否を調べた。嚢舌類の複数種で大規模再生がみられたが,有肺類では嚢舌類のような大規模再生はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コノハミドリガイの飼育がうまく行っていないものの,チドリミドリガイなどを代わりに用いて,ほぼ当初の予定通り研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,コノハミドリガイの完全飼育を試みつつ,チドリミドリガイ等で研究を進める。次年度は最終年度であるため,嚢舌類の自切・再生現象の総合的理解を図るべく,4つの研究課題すべてを進める予定である。
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