研究課題/領域番号 |
22K19315
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
石黒 啓一郎 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (30508114)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 減数分裂 / 卵子 / 不妊 / 卵 |
研究開始時の研究の概要 |
減数分裂の制御には雌雄性差がある。オス精巣では生涯にわたって減数分裂が継続されるが、メスの減数分裂は胎児期のごく狭いタイムスパンの一時期に開始され、いったん長期の休眠状態に入る。ヒトの場合は数十年以上にもわたって休眠状態が持続され、排卵と同時に第一分裂が再開される。本研究では卵子の休眠に関わる遺伝子の実態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、scRNA-seq解析を用いて減数分裂開始時のメス卵母細胞における遺伝子発現について検討を行った。RBとの相互作用が失われる変異型Stra8遺伝子マウスを作製した。変異型Stra8発現マウスは、RBとの相互作用が失われて、減数分裂への進行に遅延が見られた。さらに変異型Stra8マウスの卵巣では、出生後すぐに原始卵胞の数が早期に減少していることから、卵子がドーマント状態を保てずに出生頃に排除されることが判明した。したがって、STAR8とRBとの相互作用がメス特異的な減数分裂開始に働くこと、さらに減数分裂の開始時に遅延が生じると後の卵子の発生にも影響が及ぼされることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトに見られる不妊症は原因が不明とされる症例が多いことが知られている。女性の場合、妊娠中の母親の母体内で胎児の時期に、減数分裂が開始された生殖細胞の数によって、将来大人になったときの卵子の貯蔵数が決定される。すなわち、女性は生まれる前には、減数分裂が開始されて生涯にわたる卵子が準備されていることになる。本研究は、原発性卵巣不全や早発性閉経など卵子の形成不全や早期枯渇を示す不妊症の病態の解明に資することが期待される。また妊娠期に癌抑制タンパク質RBに影響を与える可能性のある投薬や、創薬での指針となる可能性がある。
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