研究課題/領域番号 |
22K19320
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
曽根 正光 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (90599771)
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研究分担者 |
山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 冬眠 / エピジェネティクス / シリアンハムスター / 季節適応 / ハムスター / 季節 |
研究開始時の研究の概要 |
繁殖をはじめ自然界に生きる動物の行動は季節と密接に結びついている。哺乳類の冬眠は、冬季に代謝・熱産生を能動的に抑制し消費エネルギーを節約するための典型的な季節性行動である。そして、哺乳類は冬眠前後で様々な組織を作り替えるリモデリングを行うことがわかってきた。本研究ではシリアンハムスターをモデルとして、そのような季節性の身体リモデリングを、クロマチンの修飾変化という観点から研究する。これにより生物がいかにして長期的な気温変化や日長変化の傾向を正しく捉え、適応しているのか、その根本原理に迫ることができることができると考えられる。
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研究成果の概要 |
シリアンハムスターは日長が短く低気温の環境に置かれると数ヶ月の準備期間を経て、代謝を極端に低下させる冬眠を発動する。冬眠期には10℃以下の低体温が数日続く深冬眠期と37℃程度の平常体温が半日程度続く中途覚醒を繰り返し、数ヶ月後、自発的に冬眠を終了して後冬眠期を迎える。このように異なる状態を遷移するメカニズムを調べるため、エピジェネティック修飾と呼ばれるクロマチンの化学修飾に着目し、その網羅的な解析手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物においては開花のような季節性の現象には、長期的な環境の情報に基づいて、クロマチンを構成するヒストンの化学修飾を変化させ、遺伝子発現を変化させるエピジェネティクス制御が重要な役割を果たすことが知られる。一方で哺乳類の冬眠など、動物の季節性行動にエピジェネティクス制御がどのように関わっているか不明である。本研究成果は、こうした謎に迫る足掛かりになるという点において重要である。さらにヒトにおいても冬季うつと呼ばれる季節性の情動障害が知られており、その発症機構の解明につながる可能性も秘めている。
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