研究課題/領域番号 |
22K19324
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名黒 功 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80401222)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 浸透圧 / NFAT5 / 遺伝子改変マウス / マクロファージ / Osmonitoring / 炎症 / 免疫細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、哺乳類細胞の浸透圧応答に関する我々独自の知見を活用し、生体内浸透圧環境の精緻なモニタリング手法(Osmonitoring)の開発に挑戦する。近年、体内浸透圧環境は炎症に関わる免疫細胞の活性に影響することが報告されているため、この手法を適用したマウスで、炎症やがん、高食塩食、老化などによる体内浸透圧変化をモニターしつつ、その場に存在する免疫細胞の性質を解析する。 本研究により、体内浸透圧環境による免疫細胞制御の理解を深め、未だ満足いく治療法が確立されていない炎症・免疫関連疾患に対して、浸透圧環境という革新的な視点からの治療方針の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
研究代表者独自の人工プロモーターをレポーターとした個体内での浸透圧モニタリングのために、当該レポーターの浸透圧特異性、応答感度、継時変化に関する詳細なデータを取得した。これらの結果から、構築したモニタリングシステムは浸透圧に特異性が高く、時間スケールとしては数時間単位の浸透圧環境をモニターできることが明らかになった。このレポーターシステムのトランスジェニックマウスを複数作成したが、遺伝子導入コピー数の不足や、germline transmissionの不全で実用に耐えるマウス系統の確立までは至らなかった。現在も得られた情報を元に継続して作成に取り組んでいる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、これまで不可能であった細胞スケールの局所浸透圧を実際にモニタリングするための独自の新しい方法論の妥当性の検証ができた。残念ながら実際にOsmonitoringマウス系統の樹立には至らなかったが、本研究で得られた情報とリソースをもとに継続して作成を試みる。これにより、炎症やがん局所の微小環境における実際の浸透圧環境の時空間的な広がりと、それによる免疫細胞制御の機序を明らかにできれば、感染防御やがん免疫の強化、過剰炎症の抑制を浸透圧制御の観点からコントロールできる薬剤の開発やその知的財産の取得にもつながる可能性がある。
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