研究課題/領域番号 |
22K19328
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水多 陽子 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 助教 (70645142)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 花粉 / 発生 / 極性 / 非対称分裂 / 遺伝子導入 / ライブイメージング / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
花粉は被子植物のオスの配偶体である。花粉の発生過程では、小胞子と呼ばれる1細胞が不等分裂し、大きな栄養細胞が小さな雄原細胞(精細胞の前駆細胞)を包んだ状態となる。花粉の発生では1細胞から栄養細胞と雄原細胞という、機能も運命も全く異なる2つの細胞が作られる。しかし、その発生過程については未だ不明な点が多い。本研究では、花粉の発生過程を極性を中心に詳細に観察し解析する。それにより、花粉の細胞分裂のしくみや細胞運命決定のしくみ、および花粉が受精能力を獲得していくしくみについて明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では双子葉植物の一種であるベンサミアナタバコを用いて一過的な遺伝子導入と花粉発生系を組み合わせ、花粉の発生過程を共焦点ライブイメージングする手法を確立した。これにより、生きたまま花粉の非対称分裂や細胞内極性を解析することが可能となった。核分裂や細胞質分裂をリアルタイムに画像解析する方法を確立し、細胞内構造や極性を定量化した。また、シロイヌナズナの知見をもとに非対称分裂や分化に関わる遺伝子を導入したところ、非対称分裂や分化を阻害または促進し、非対称分裂前後で特異的な局在を示すなど、様々な局在や表現型が解析可能であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
花粉は被子植物に共通の細胞であり、被子植物の花粉に普遍的な非対称分裂や雄原細胞の分化メカニズムを明らかにすることは、生物学上重要なだけでなく、農業育種などの分野においても重要である。本研究は花粉の発生を1細胞レベルで追跡可能であり、本研究により確立された観察・解析手法は、例えば樹木など開花までに時間がかかる種や形質転換体の作出が困難な種においても、遺伝子の働きや細胞機能を調べるのに有効な方法である。本研究によって得られた成果は、今後、植物生殖分野を含む様々な植物研究へと発展することが期待される。
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