研究課題/領域番号 |
22K19337
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山尾 僚 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (50727691)
|
研究分担者 |
立木 佑弥 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (40741799)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 植物ー動物相互作用 / 種子発芽 / 環境認識 / 進化 / 植物間相互作用 / 血縁認識 / 植物群集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①植物の血縁認識に基づく社会行動の体系化と、②その進化プロセスの推定、③生物群集への波及効果の3つについて栽培実験、数理シミュレーション、模擬草地実験によりアプローチする。これら一連の研究により、植物の社会行動の様相を解き明かし、それらが生物群集の構造(種数や個体数)に与える影響を定量化する。動物で培われた社会生物学の理論を植物間の相互作用、ひいては植物群集へと応用する方法論を確立する。
|
研究実績の概要 |
本年度はコロナ感染に伴う移動制限および職場の異動のため、予定していたメソコスム実験の実施を次年度に持ち越すこととし、実験については小規模栽培実験による血縁認識に基づく応答の種間差の調査を行うにとどめた。栽培実験の結果から、血縁個体との競争を回避する種や(ギシギシ属など)逆に血縁個体に対して競争的にふるまう種、血縁個体に対して全く応答を示さない種(野生ムギなど)などが存在することが明らかになった。一連の栽培実験から、理論上想定される全ての応答が野生植物中に見られることが明らかになった。また、シミュレーションよる解析については随時進めており、血縁認識の進化条件や血縁認識に基づく社会行動の多様性を説明する生態的要因として、種子の分散範囲など個体群構造を調整する形質の影響が大きく、次いで血縁者を認識する精度に応じて異なる進化的帰結をもたらすことが明らかになりつつある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦にともなう移動制限の影響で種子の採取にやや難航したことと、職場の異動が重なったこともあり当初予定していたメソコスム実験を来年度の計画分として見送ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、メソコスム実験の設置による血縁認識の群集への波及効果の検証を進めると共に、シミュレーション解析の完成を目指す。
|