研究課題/領域番号 |
22K19354
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
林 悠 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 睡眠 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
レム睡眠は様々な疾患の発症や加齢に伴い減少する。近年の研究から、レム睡眠が脳の恒常性維持や記憶の固定化など、脳機能に重要な役割を担うことが明らかになりつつある。しかしながら、レム睡眠を有効に増やす方法はない。我々は、特定のエサがマウスのレム睡眠を有効に増加させる可能性を見出した。そこで本研究では、食事がレム睡眠に影響を及ぼすメカニズムを、我々がこれまでに明らかにしてきたレム睡眠制御回路に注目しながら明らかにする。本研究により、食事・睡眠・健康の関係をつなぐ革新的なメカニズムの発見を目指す。
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研究成果の概要 |
睡眠の質を決める重要な要素である睡眠構築(レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル)は、加齢や疾患発症の影響を受ける。睡眠の量に加えて、睡眠の質の変化が認知症を始めとする様々な疾患のリスク因子であることから、有効な改善方法の開発が求められる。我々はマウスにおいて、特定の飼料がレム睡眠や徐波睡眠(深いノンレム睡眠)を有効に増加させる可能性を見出した。食事が睡眠構築に影響を及ぼすメカニズムの解明に取り組んだ結果、関係する神経回路や、食事のどのような要素(特定の栄養成分、硬さ等)が睡眠構築に作用するかについて、理解を進めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食事が脳の生理状態に与える影響について、睡眠を介した新たな機能性に光を当てる本研究は、「食事」「睡眠」「健康」の関係をつなぐメカニズムの解明に貢献した。睡眠改善をうたった商品の科学的根拠などが問題視される中、良質な睡眠を導くことができる食事療法が開発できれば、睡眠障害の改善に大きく貢献できると期待される。精神・神経系疾患に睡眠障害はつきものだが、根本的治療の見通しが未だに立たない疾患が数多く存在する。本研究を起点として、食事の力で認知症等の疾患の予防・治療が導けることが明らかとなれば、医学的にも大きな進歩となると考えられる。
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