研究課題/領域番号 |
22K19358
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
久場 博司 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362469)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 軸索起始部 / ゲノム編集 / 可視化 / 操作 / 軸索 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞における活動生成の場である軸索起始部(AIS)は、分布が細胞毎に異なり、かつ可塑的に変化することが明らかとなり、その神経活動制御における重要性が注目されている。しかしながら、生体脳でのAIS分布のダイナミクス、さらにはその脳の機能や病態に及ぼす効果への理解は進んでいない。これは生体脳でAISの観察や操作を行う技術がないことが主な理由である。本研究では、ゲノム編集による内在性蛋白質の蛍光標識と遺伝子ノックアウト技術を駆使することで、生体脳においてAIS分布を連続的に観察する技術と人為的に操作する技術の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
軸索起始部(AIS)可塑性は、脳の機能や病態を決定する上で中核的な役割を担うと考えられる。しかしながら、その回路・個体レベルでの意義に対する理解は進んでいない。この主な理由として、現在のAIS研究では同一細胞でのAIS分布の継時変化を評価することが困難なことが挙げられる。本研究では、生体脳においてAIS分布を連続的に観察する技術と人為的に操作するための技術基盤を確立する。 本年度は、生体内ゲノム編集を用いた内在性タンパク質標識(SLENDR法)によるAIS可視化のさらなる効率向上を目指した。Plasmidベクターを電気穿孔法で導入する方法からCas9タンパク質とgRNAを試験管内で複合体形成させたものを電気穿孔法で導入する方法(eCHIKIN法)に変更することにより導入効率を改善することができたが、蛍光タンパク質を直接ノックインする方法では電位依存性Naチャネル(Nav1.6)やその足場タンパク質(ankyrinG)の信号をライブで観察することは困難であった。このため、halo-tagによる標識を試みた。Halo-tagによる標識には長いsingle strand DNAの合成が必要であるため、PCRの条件検討を行い最適な条件を確立した。その後、βアクチンをhalo-tag標識するコンストラクトを作成し、eCHIKIN法による脳幹聴覚神経細胞への導入を行った。この動物から作成した脳切片培養標本において、halo-tagリガンドを投与することによりβアクチンの信号を確認することができた。また本年度は、cdk5の活性調節によるAIS長の操作技術についても検討を行った。cdk5不活性変異体、もしくはcdk5活性化因子であるp35の過剰発現により、AIS長はそれぞれ延長、もしくは短縮し、cdk5/p35がAIS可塑性制御のツールとして有用であることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Halo-tagを用いた内在βアクチンの標識とcdk5の活性調節によるAIS長の操作にも成功したものの、生体内でのAISの観察や操作には至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
Halo-tagにより内在ankyrinGを標識した脳切片培養標本を用いて、AIS可塑性を誘導した際のAISの構造変化をライブで経時的に観察する。さらに、二光子顕微鏡(FV1000MPE)、もしくはエンドスコープ(Doric)を用いた生体内での観察も行う。大脳皮質の錐体細胞では、発達期にAIS長が感覚経験に応じて短縮することが知られているため、可能であれば、この変化を経時的に観察することを試みる。また、生体内でのp35の時期特異的な発現制御(過剰発現、ノックアウト)によるAIS長の操作を試みる。
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