研究課題/領域番号 |
22K19367
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2023) 東京女子医科大学 (2022) |
研究代表者 |
緑川 光春 京都大学, 医学研究科, 教授 (60632643)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 神経回路 / シナプス / 開口放出 / 電気生理学 / イメージング / 電気生理 / 神経回路発達 |
研究開始時の研究の概要 |
神経回路の発達初期にはシナプス形成が過剰に行われ、この時期に形成されたシナプスのおよそ40‐50%が発達に伴って失われて成熟した神経回路が形成される。しかしこれらの失われていくシナプスに関して、失われるまでにどのようにシナプス伝達機能が変化して最終的にシナプス伝達能が失われるのか、という根源的な疑問は驚くべきことにほとんど分かっていない。本研究は失われるシナプスのシナプス前部である軸索終末部を「実際に失われる前から」選択的に標識し、ここに高度な電気生理学的手法を適用することで、失われるシナプスにおいてシナプス伝達能がどのような原因・順序で失われていくのかを明らかにすることを目指すものである。
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研究成果の概要 |
生後発達初期に過剰に形成されたシナプスは、その後の発達過程において40-50%が失われてしまうことが知られている。この際に失われていくシナプスに関して、それらが失われるまでにどのようにシナプス伝達が変化するのかを解明することを目的として研究を行った。電気生理学実験により、将来的に失われるシナプス前終末では神経伝達物質の開口放出に不可欠なカルシウムチャネルが著しく少ないことを示す結果を得た。また、超解像蛍光顕微鏡を用いた分子形態解析により、将来的に失われるシナプス前終末では、生き残るシナプス前終末で形成される開口放出部位とカルシウムチャネルとの整然とした位置配列が成立しない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経回路は発達・経験依存的に改編されることが知られており、適切な改編が高次脳機能の発達に重要であるとともに、不適切な改編は精神・運動疾患などの原因となることが示唆されている。したがって、神経回路の接続部であるシナプスが除去されるメカニズムを理解することは、神経回路の不適切な改編による精神・運動疾患の発症機序の理解やその予防・治療へも繋がりうる重要な基礎研究である。申請者の研究成果は将来的に生き残るシナプスと除去されるシナプスの間の相違点についてその一端を明らかにしたものであり、大きな学術的意義がある。
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