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膜1回貫通型受容体を対象にした「構造生物学での最後のフロンティア」解消への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K19375
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分47:薬学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

小川 治夫  京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード膜タンパク質 / 立体構造解析 / 膜1回貫通型受容体 / クライオ電子顕微鏡
研究開始時の研究の概要

「構造生物学における最後のフロンティア」である膜1回貫通型受容体の生理的状態での構造決定を、クライオ電子顕微鏡による解析を行うことで目指す。研究代表者の独自の大量発現・精製技術を駆使することで、この「フロンティア」の解消を目指す。これにより、膜1回貫通型受容体での膜を隔てた信号伝達機構・基質認識機構の解明を行うことが可能になると考えられる。

研究実績の概要

X線結晶解析やクライオ電子顕微鏡法(クライオEM)の発展により、G-protein Coupled Receptor (GPCR)等多くの受容体や、イオンチャネル・イオンポンプタンパク質等の膜輸送体の立体構造が報告されている。だがこれまで報告されている膜タンパク質の立体構造は、生体膜を複数回貫通する膜貫通部位を持つ、多回膜貫通型の膜タンパク質である。その一方で、膜を1回のみ貫通する、いわゆる1回貫通型の膜タンパク質の「全長構造」の報告は皆無である。その中で特に重要なものは生体にとって重要なホルモンやサイトカイン等の受容を担う1回貫通型受容体である。だが、1回貫通型受容体は膜貫通領域を1本しか持たないことなどもあり、大量発現・精製や、その後の立体構造解析へ向けたハンドリングが極めて困難であることが知られている。以上のことを考え合わせると、膜1回貫通型受容体の立体構造解析は構造生物学における最後のフロンティアと言っても過言ではないかもしれない。そこで、本研究では申請者のこれまでの研究を発展させ、研究代表者の独自の大量発現・精製技術を駆使することで、この「構造生物学における最後のフロンティア」である膜1回貫通型受容体の生理的状態での構造をクライオ電子顕微鏡により決定することを目指す。これにより、膜1回貫通型受容体での膜を隔てた信号伝達機構・基質認識機構の解明を行うことが可能になると考えられる。令和5年度は令和4年度に引き続き、大量精製した精製標品のナノディスクへの再構成をより効率的に行う手法の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膜1回貫通型受容体を培養細胞に定常的に発現させ、界面活性剤で可溶化後、タグを用いて精製を行っている。得られた精製標品については生理活性の測定を行い、十分な活性を有していることが確認された。本年度は昨年度に引き続きナノディスクへの再構成を試みたが、より効率的に組み込む手法の検討を行った。精製標品はナノディスク再構成後にも活性を有していたが、再構成されていない空のナノディスクも多数存在した。そこで、ナノディスクへの再構成後、更にタグを用いた精製を行うことでこの問題も概ね解決した。

今後の研究の推進方策

昨年度の研究により、ナノディスクへの再構成の効率も上がった。だが依然として構造解析には不十分である。そこで、本年度は再構成の際の脂質成分を変える等の工夫や、その他再構成の手法の検討を行うことで、ナノディスクへの再構成効率を上昇させる。もし、十分量が再構成されたなら、構造解析への転用を考える。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structural insight into hormone recognition by the natriuretic peptide receptor-A2024

    • 著者名/発表者名
      Haruo Ogawa, Masami Kodama
    • 雑誌名

      The FEBS Journal

      巻: 04 March 2024 号: 10 ページ: 114-114

    • DOI

      10.1111/febs.17104

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] クライオ電顕による一膜貫通型受容体 NPR-Bの機能構造解析2023

    • 著者名/発表者名
      近藤瞳、児玉昌美、加藤博章、小川治夫
    • 学会等名
      第44回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cryo-EMによる立体構造から明らかになったGCase受容体の基質識別機構2023

    • 著者名/発表者名
      近藤瞳、児玉昌美、加藤博章、小川治夫
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 点対称への変身が受容体によるホルモン認識の鍵! ―新規心不全治療薬へ向けた手がかりを提示―

    • URL

      https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2024-03/2403_ogawa-a70d4cdf0bcf9909e33e38587f4fb663.pdf

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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